スノーボード ビッグエア(BA) W杯第3戦・決勝(13日、米コロラド州)

 ビッグエア(BA)決勝は米スティームボートスプリングズで行われ、女子は2018年平昌、22年北京五輪代表の鬼塚雅(27)=ISPS=が、170・00点を出し、19年12月以来、6年ぶりの優勝を飾った。スロープスタイル(SS)と合わせ、通算4勝目。

ミラノ・コルティナ五輪の逆転代表入りへ弾みをつけた。

 3度目の五輪代表入りへ、望みをつないだ。3位で迎えた3回目。鬼塚は覚悟を持って高難度の逆スタンスでの横3回転半技を決めきった。91・00点の女子最高得点を叩き出し、大逆転で6季ぶりVが決まると、頭を抱えて首を横に振った。「もう最高! 信じられないくらいうれしい。ドラマのような展開に持っていけた」と自身も驚いた様子で勝利の味をかみ締めた。

 くじけかけた心を何度も奮い立たせた。3度目の五輪選考レースが始まった昨季は、開幕前に転倒で左膝のじん帯を損傷。BAを引っ張ってきた第一人者だが、表彰台に一度も上がれなかった。圏外で迎えた今季は「本気でやるしかない」。開幕戦から3位で表彰台に立つと、第2戦は技を出した際に雪面に顔面を強打。

それでも「恐怖心があるからこそ」と同じ技をこの日1回目に入れ復活Vにつなげた。

 今季は3位、5位、優勝で自身初のBA種目別制覇を遂げ、逆転五輪切符へ巻き返した。BAとSSでは、村瀬心椛(ここも、21)=TOKIOインカラミ=、深田茉莉(18)=ヤマゼン=が五輪出場を確実にし、残りは最大2枠。選考に関わる大会は残りW杯SS2戦。27歳の実力者は、弾みの勝利を夢舞台につなげる。

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年10月12日、熊本市生まれ。27歳。福岡市の室内練習場で5歳の時に競技を始める。熊本・ルーテル学院高、早大卒。2015年世界選手権スロープスタイル(SS)で16歳3か月での史上最年少優勝(当時)。W杯は通算4勝で表彰台は16度。世界選手権は計5度の表彰台。

五輪は18年平昌BA8位、22年北京BA11位、SSはともに19位。家族は両親とプロゴルファーの妹・貴理。身長158センチ。

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