◆第61回全国大学ラグビーフットボール選手権大会▽3回戦 京産大40―36慶大(14日・花園ラグビー場)

 3回戦が行われ、京産大が慶大に40―36で逆転勝利し、準々決勝進出を決めた。3度リードを許すシーソーゲームで窮地に追い込まれたが、終了間際にロック一柳尚斗(3年)=兵庫工=が“サヨナラトライ”。

関学大は福岡工大に53―21と大勝し、関西勢2校が勝ち残った。

 ノーサイドまで残り40秒、フェーズを重ねた末に一柳がゴールポスト下にボールを押し込んだ。「レフェリーの笛と歓声で(トライと)気づいた。何が起こったのか一瞬分からなかった…」。再々逆転のトライに、京産大フィフティーンは拳を突き上げ歓喜した。

 一柳は花園出場歴のない兵庫工でラグビーを始めた。周囲のほとんどが卒業後は就職を選ぶ中、京産大の練習会に参加し、元日本代表の元木由記雄GM(54)からスカウトされた。「大学でやるなら強いところでやりなさいと周りから言われて」。高校時代、花園のスターで憧れだったロック石橋チューカ(3年)=報徳学園=とも肩を並べて戦っている。

 大きな1勝をもぎ取ったが「まだまだ努力は足りていない。次の試合や国立でも、自分が一つでもチームに貢献したい」と現状に満足しない。次戦の東海大戦も、雑草魂でチームを勝利に導く。

(藤田 芽生)

 〇…関学大はゲームキャプテンのNO8小林典大(4年)=京都成章=が5トライの大暴れで8強入りを決めた。両足首のねんざからの復帰戦での活躍を「バックスが信頼して渡してくれた。チームとしてのトライだと思う」とかみしめた。PR中田偲響主将(しきょう、4年)=東海大大阪仰星=ら主力選手をけがで欠く中、福岡工大に大勝したが、「総力戦。チーム全体が強くならないと」と気を引き締めた。

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