◆全日本大学アメリカンフットボール選手権▽決勝(甲子園ボウル)立命大38―14関学大(14日・甲子園球場)

 京大監督として、甲子園ボウルを6度、ライスボウルを4度制覇した名将・水野彌一氏(85)が観戦記を寄せた。

 MVPは高橋監督を始めとした立命大の指導陣だ。

関学大の守備スタイルを分析して的確に攻めた。勝因は〈1〉OLの対応力〈2〉竹田君のクイックパス〈3〉蓑部君、漆原君らのRB。関学大の守備を空転させて、リーグ戦の3―24とは逆に20点差以上をつけた。

 関学大の守備はブロックをつくらず、QBにプレッシャーをかける。リーグ戦では非常に高いレベルでやれていた。その特長を立命大は逆手に取った。ボールを受け取ったらすぐに投げる竹田君のクイックパスと、RBが外に展開するランプレーが効果的だった。クイックパスはWRとのタイミングが大事で、練習を積んできた成果だろう。

 攻撃陣の能力は、立命大がはるかに上だった。関学大のコーチ陣はいろいろなプレーをやらせようとしていたが、タレントが不足していた。リーグ戦では通用していた、QBがボールをキープするだけでは厳しかった。

 予想に反して大差がついたが、非常にレベルが高い試合だった。

指導陣は関東より関西の方が充実しており、優秀な選手をうまく活用している。来年以降も甲子園ボウルは関西対決になる可能性が高い。(元京大監督)

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