フリーアナウンサーの刈川くるみ(27)は、局アナを経験せずに大学卒業から半年後の2021年10月に日本テレビ系「news every.」(月~金曜・後3時)でデビュー。今年3月末までの3年半にわたり「プライベートで感じたこと、見たこと、感性が生きている」と、日々の感覚を大切にしてカルチャーコーナーを担当してきた。

 幼少期からテレビっ子。高校3年の冬に「常に勉強ができて、アウトプットができる」とアナウンサーを志し、上京して進学。卒業後は「アナウンサー、キャスターという仕事を目指していたので、局に入りたいという特別な思いはなかった」と、セント・フォースに所属した。肩書はフリーアナウンサー。周りはテレビ局などで経験を積んでから転身する人がほとんどで、収入面、研修など不安は尽きなかった。それでも「絶対に頑張ろうと燃えていた。いろいろな幅の挑戦ができる立場にいて、目標を自分で立てられる」と、すぐに前を向いた。

 「―every.」抜てき当初を「うれしかった。私以上に喜んでくれたのが両親で、決まった時は泣いていた」と明かす。地元・福岡では刈川の出演シーンは放送されなかったが「『あ、同じスタジオにくるみもいるんだ』と思って見ている」と家族から連絡が入っていたという。

 「興味を持ったら何でもやってみたい」という性格で、仕事でもその姿勢は変わらない。「ただ原稿だけ読んで伝えるのは、責任が薄い。

1分程度で終わる原稿でも中身を知って伝えることに意味がある」と放送前はその日に扱う本、映画などを確認する時間に使う。番組、共演者をきっかけに歌舞伎、落語鑑賞に行くほか、能の習い事も始めた。

 現在は「Oha!4」(月~金曜・前4時半)、「日テレNEWS24」を担当する。「土曜の夜から火曜までは昼夜逆転。水木金だけ普通の生活に戻る。人の2倍生きているような感覚がある」。早い時は午前1時に起床、8時間も同じスタジオにいる日もあるが、充実感を漂わせる。カルチャーだけでなく「―every.」を担当してから憧れた報道の世界で「今、報道を守っているのが楽しい」と笑みを浮かべた。

 カルチャーを伝える仕事は、これからも続く。「より見たことのない世界を見たいのと、好きなことをとことん深めたい」。刈川の探究心は止まらない。(中西 珠友)

 ◆刈川 くるみ(かりかわ・くるみ)1998年11月30日、福岡県出身。

27歳。日大法学部卒業後、セント・フォースに所属。趣味はダンス、ピアノ、歌舞伎鑑賞、落語など。乗馬ライセンス4級、手話技能検定3級、防災士の資格。目標は元日テレの藤井貴彦アナ。2017年度フレッシュキャンパスコンテスト準グランプリ。164センチ。血液型AB。

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