「第50回報知映画賞」の表彰式が15日、都内で行われた。

 「ナイトフラワー」(内田英治監督)で体重を7キロ増量するなど迫真の演技で格闘家役を演じ、助演女優賞に輝いた森田望智(みさと、29)はワンショルダーでデコルテを大胆に露出した黒のロングドレスで登場し、観客の目線を一身に集めた。

 花束を持って駆けつけた同作で共演の光石研(64)の笑顔にニッコリ。

 国内の映画賞は初受賞。主演女優賞の北川景子(39)とのダブル受賞となり、マイクの前に立つと「本日はこのような素敵な賞をいただき、うれしく光栄に思っています」と喜びを口にした。

 「映画として賞をいただくのは初めてで…。賞は6年前の(ネットフリックスの)『全裸監督』で新人賞をいただいて以来となります。どちらも内田監督作品です」と明かすと「監督との出会いは私がオーディションに落ち続けていて仕事もまったくない中、『全裸監督』のオーディションで私を見つけて下さり、日陰から少し日の当たるような場所に連れてきてくれた最初の監督であります。その時に言われたのが『君は技術的にすごくうまいタイプではないから、うまくやることはあきらめて。あなたにすごく大事なのは内面で、すべては内面で、すべては感情です』って言葉をいただいて、うまくなくても大丈夫、一生懸命、その役の気持ちを考えて理解しようという気持ちを忘れずにと思って、ここまでコツコツとやってきたつもりではあります」と振り返った。

 「反省だったり、もうちょっとこうした方が良かったなというのはたくさんあるんですけど、一つ、役との向き合い方がスクリーンで少し魂を宿せたのではないかなと、そんな賞をいただけたことを感謝しています」と続けると「『ナイトフラワー』で関わって下さったスタッフ、キャストの皆さん、そして今日、北川景子さんとともに、この報知映画賞の場に立てたことをすごくうれしく、誇らしく思っています。まだまだうまくなれるように、素敵な俳優さんになれるように頑張って参ります。よろしくお願いします」と初々しく頭を下げた。

 2019年にNetflixドラマ「全裸監督」でブレイクしたが、それまで8年間ほど芽が出なかった。

「何百回もオーディションに落ちました」。もがき続ける日々の中で、映画「エゴイスト」などで知られる松永大司監督の演技講習を受けた。「全裸監督」のオーディションは「目がバッキバキで覚悟の塊でした」。脇毛で有名なAV女優の黒木香役。油性ペンで脇毛を描いて臨んだことは語りぐさだ。その後、NHK連続テレビ小説「虎に翼」の花江役で全国区の人気者となった。

 11月には27年度前期の朝ドラ「巡(まわ)るスワン」でヒロインを務めることが発表された大器が、まずは報知映画賞の舞台でキラリと輝いた。

 この日の表彰式の模様はBS10で15日午後6時から放送される。

 ◆ナイトフラワー 2児の母である永島夏希(北川景子)は生活に困窮し、ドラッグの売人になる。格闘家の芳井多摩恵(森田望智)からボディーガードをする代わりに利益の半分を渡すよう提案を受ける。2人は過酷な世界を生き抜くため、支え合いながら運命を共にする。

 ◆森田 望智(もりた・みさと)1996年9月13日生まれ。

神奈川県出身。29歳。2011年、CM出演をきっかけに女優活動を開始して映画「一週間フレンズ。」(17年)、ドラマ「賭ケグルイ」(18年)などに出演。19年のNetflix「全裸監督」で脚光を浴び、24年度前期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」、Netflix「シティーハンター」などに出演。身長163センチ。血液型O。

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