「第50回報知映画賞」の表彰式が15日、東京・渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで行われた。作品賞・アニメ部門を受賞した「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」の外崎春雄監督、寺尾優一撮影・フィニッシング演出監督は、「真摯(しんし)に取り組んだ結果」と喜びを語った。

 黒いスーツに緑のネクタイの「炭治郎(主人公の竈門炭治郎)カラー」で登壇した外崎監督は「大変うれしく思います。キャスト、スタッフ一同が一人ひとり、真摯に取り組んだ結果だと思っています」としみじみ。初の長編監督作品となった前作「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(2020年公開)に続く、シリーズ2度目の受賞に、喜びに浸った。

 3DのCGアニメーションで目まぐるしく動く物語の舞台「無限城」に、「手描きのアナログの作業にこだわって描き続けていた」というキャラクターを乗せて描いた今作。デジタルとアナログの融合を実現させ「大きな、チャレンジングな目標だった。それを劇場で見ていただいた方に評価していただけた」と振り返った。

 公開150日間で興行収入385・3億円突破は、歴代1位の407・5億円を記録した前作に相当するペース。その影響は海外にも波及し、日本映画として初めて世界興収が1000億円を超える空前の大ヒットとなっている。無限城編3部作はまだ第一章。「二章以降もファンの皆さんに楽しんでもらえるように、アニメーション制作に真摯に取り組んでいきたい」と感謝した。

 寺尾監督は、アニメ業界に入った頃は倉庫で寝泊まりしていたというエピソードを披露。「これからもっと頑張ろう、と思える業界であると僕たち自身が示していくことが大事。

これまで以上に一生懸命作っていきたい」と気合を入れた。(堀北 禎仁)

 ◆選考委員 浅川貴道(読売新聞文化部映画担当)、荒木久文(映画評論家)、見城徹(株式会社幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(株式会社サイバーエージェント代表取締役会長)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(五十音順)とスポーツ報知映画担当。

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