卓球「ノジマTリーグ」の男女12チームの話題をお届けする「TリーグNEWS」第5回は、男子の静岡ジェードをピックアップ。3~4月にリーグ初の入団トライアルを実施。

約60人が参加し、優勝者と25~26年季の契約を結んだ。トライアルを勝ち抜き、一員となった石山慎(26)は、今季ここまで単複4試合に出場。夢舞台で戦う今の思いを語った。

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 Tリーガーとなった石山は、刺激的な毎日を送っている。3~4月にリーグ初実施のトライアルを経て静岡に入団。10月に東京の台湾出身の林昀儒戦でデビューし、これまでにシングルス、ダブルスで計4試合に出場。11月の岡山戦のダブルスでは張本智和(22)組から初白星をマークし、「国内外のトップレベルと戦ってみて、やはり強い。この舞台で戦っていることは夢みたいな感じ」と充実の笑みを浮かべた。

 「エリートが集まる舞台。雲の上」と遠目に見ていた。転機は1月にトライアルが発表され、卓球界で大きな話題になったこと。さらに驚いたのは優勝者と今季の契約をする内容だ。

「声がかかる実績はないし。年齢的にも」と諦めかけていたが「声がかかる、かからないの話ではない。自分が頑張ればいける」と迷わず応募。本戦決勝を3勝して一枚の切符をつかんだ。小学時代の新発田ジュニア以来のチームメートとなった龍崎東寅(26)に「おめでとう」と祝福されても、すぐに実感はわかなかった。

 7月にリーグが開幕してから、平日は午前8時から訪問介護のヘルパーとして働き、業務後に午後6時まで練習。週末はTリーグに従事している。「僕みたいに幼少期や学生からなかなか成績が出なくても、卓球が大好きで気持ちを切らさずに頑張っていれば、チャンスはある。トライアルは夢のあること」と実感を込めた。

 トップのリーグで腕を磨いた先に目標がある。「Tリーグでの貴重な経験を生かして全日本選手権で上位を目指せる選手になりたい」と石山。夢舞台で力をつけ、飛躍につなげる。

チームは今後もトライアルを実施する予定だ。(宮下 京香)

 ◆石山 慎(いしやま・しん)1999年9月8日、新潟・村上市生まれ。26歳。父・忠一さん(64)が指導したクラブ「荒川ジュニア」で3歳から卓球を始める。小学4年から中学3年までは新発田ジュニアでプレー。新潟・開志国際高、専大を卒業後、一般企業を経て24年からケアリッツ・アンド・パートナーズに在籍。168センチ。左シェークドライブ型。家族は両親と兄、姉。

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