将棋の第51期棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局が16日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた。後手の増田康宏八段が斎藤明日斗六段に80手で勝利し、2月8日に開幕する五番勝負への挑戦権を獲得した。

 この日の一局の戦型は相掛かりだったが、前例のない難しい将棋になり「珍しい形だった。序盤から有利な展開に持っていけたら」と反省した。

 前期に続いての挑戦。「初めての和服での対局で、その経験ができたことが貴重」と勉強になった様子だったが「3連敗で消極的な将棋ばかりだった。自分の中でもふがいない結果に終わった」と反省。番勝負に向けて「1か月しっかり準備していい内容の将棋を指せるように準備したい」と意気込んだ。

 再び藤井聡太六冠に挑戦する。藤井さんはとても強い状態だと思うけど、伊藤さんが勝たれたのでこちらとしてそれに続かなければ」と今年10月に藤井から王座を奪取した伊藤匠二冠に影響を受けている。「先手番の時に藤井さんの研究にない指しやすい展開に持っていった伊藤さんが上手い。藤井さんと言えども序盤が失敗すると苦戦している印象があった」と分析。「相手が苦しまないといけないと思うので、研究をぶつけるより相手が苦しむ展開を見つけてぶつけていきたい」と意気込んだ。

 増田は今年7月、結婚を発表した。

「今年は一緒に暮らしているので、そこは違い。今年の9月くらいから他棋戦でも勝てるようになった。支えてくれる存在は大きい」と日頃の支えに感謝していた。

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