東京都交通局(都営地下鉄)と京浜急行電鉄は23日から、クレジットカードなどのタッチ決済による乗車サービスを両社線のすべての駅で開始すると発表した。来春以降には、関東の鉄道事業者11社局で会社間をまたぐ「相互利用」が可能となる見通し。

利用者のメリットは以下の通り。

 ▼チャージ不要・券売機不要 SuicaやPASMOのような事前のチャージは一切不要となる。手持ちの「タッチ決済対応クレジットカード」やスマートフォンを改札にかざすだけで乗車可能だ。「残高不足で改札が閉まる」心配もなく、急いでいる時に券売機で切符を買う手間も省ける。

 ▼インバウンドや普段使い以外でもスムーズに 交通系ICカードを持たない外国人観光客や、たまにしか鉄道を利用しない層にとって、路線図での運賃確認や切符購入は大きな負担だった。今後は手持ちのカードでそのまま乗車できるため、特に羽田空港から都心への移動などがスムーズになる。

 ▼2026年からは「乗り換え」も1枚で完結 最大の変化は来春以降だ。従来、クレジットカード乗車は鉄道会社ごとの決済が必要で、会社をまたぐ乗り換えや直通運転時の運賃計算が課題だった。今回、新システムの導入により、対象11社局間であれば、ICカード同様にシームレスな乗り換え・直通利用が可能となる。首都圏の複雑な路線網を、クレカ1枚で移動できる。

 【サービス展開スケジュール】

 【第1弾】都営地下鉄・京急線の全駅対応

 23日始発から 実証実験段階を終え、都営・京急の全駅で利用可能となる。

 【第2弾】関東11社局での相互利用開始

 開始時期 来春以降

 11社局間での乗り継ぎ・直通運転に対応した運賃計算が開始される。

 ◆対象の11社 〈1〉小田急電鉄〈2〉小田急箱根〈3〉京王電鉄〈4〉京浜急行電鉄〈5〉相模鉄道〈6〉西武鉄道〈7〉東急電鉄〈8〉東京メトロ〈9〉都営地下鉄〈10〉東武鉄道〈11〉横浜高速鉄道みなとみらい線 ※各社の対象駅・路線詳細は、開始前に改めて発表される予定。

 ◆利用可能な決済ブランド Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯

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