今季まで巨人の2軍監督を務めた桑田真澄氏(57)が18日、東京ドームホテルで24年から2軍公式戦に参加しているオイシックスの「チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)」就任会見に出席。来年1月からのCBO就任に向けて、育成のキーワードとして「サイエンス、バランス、リスペクト」の3つを掲げるなど決意を示した。

 会見の内容は以下の通り。

 ―東京ドームが横にあり、18日といういい日に会見となった。

 「まさか東京ドームホテルだと思わなかったものですから。東京ドームというのは、いま日本のプロ野球の象徴だと思うんですね。この東京ドームで活躍できる選手を輩出したいという高島会長の思いと、僕が慣れ親しんだ東京ドームホテルで記者会見することで、ちょっと落ち着いてできるじゃないか、という配慮をいただいたんじゃないかなと思っています」

 ―今季、巨人の2軍監督として戦っていた、オイシックスのイメージは。

 「やはり選手の中では3連勝してという雰囲気があったんですが、なかなか苦戦しました。武田監督のもと選手たちが粘り強く戦って、(1カードで)大体1試合は負けるんですよね。なぜ負けたんだろうと、みんなでオイシックスの粘りってすごいよなとか、そういう反省会をしたことを思いだしました。本当に粘り強く戦うことがオイシックスらしさでもあるんじゃないかな、と対戦していて思いましたね」

 ―今季は17試合でオイシックスが4勝、ジャイアンツが13勝だった。

 「5回くらいまで0―0、1―0でいくとですね、ちょっと危ないぞという雰囲気が出てきて、結局最後まで粘られて負けてしまった、という試合が4試合だったと思うんですよね」

 ―エコスタの雰囲気はどう感じていますか。

 「個人的にはすごく好きな球場です。引退してからもいろんな球場に指導者としていくんですけど、どうしてもマウンドに上がって、投げてみたくなるんですよね。

マウンドから景色というのは独特で、自分の持っている基準とか視点がありますので、エコスタのマウンドにも何度かシートをちょっとはがして登ったりとかさせてもらいながら。バックネットまでの距離はこれくらいかとかね、思ったよりも風があるなとか、そんなことを感じながら。また1軍も試合をしますので、2軍の選手としたら素晴らしい球場で野球をさせてもらってありがたいなと思っていましたね」

 ―エコスタでは2度始球式するなど縁がある。

 「新潟はですね、長男がお世話になっていまして。その間に試合もよく見に行きましたし、いい球団だなと思いながら見ていたんでね。始球式にも呼んでいただいて非常にうれしかったですね」

 ―CBOに就任されて、来年のイメージは。

 「まずは武田監督はじめですね、コーチ陣、選手の皆さんの話を聞いて、それから方向性を出していきたいなと思っています」

 ―選手を育成していく中で、ご自身の哲学や思いは。

 「取り組むことはおそらくジャイアンツ時代と同じ方向性になると思うんですね。巨人でも勝利至上主義ではなく人材育成主義を掲げて、とにかく選手を育てていこうと。育成には3つのキーワードと言って『サイエンス、バランス、リスペクト』と。スポーツ医科学を活用しながらバランス良く。またオイシックスさんは食が専門ですから、食事の重要性、栄養の重要性を選手にも伝えながら。

そしてリスペクトは、審判、相手の選手もそうなんですが、何よりも自分自身をリスペクトできる選手を育てていきたいと思います。あとは僕の仕事は現場にもいきますけど、球団、フロントの成長の部分もありますので、環境面とかもそういったところもいろいろアドバイスをしていきたいと思っています」

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