◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇正規王者・堤聖也(2―1判定)暫定王者・ノニト・ドネア●(12月17日、東京・両国国技館)

 WBA世界バンタム級正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が、世界5階級を制覇したWBA世界同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=との激闘から一夜明けた18日、都内の所属ジムで会見。「本当に戦えたことが光栄ですね。

今後、全部が終わった後に振り返って、この試合のことはずっと心に残るだろうし。ノニト・ドネアっていう偉大なボクサーと世界タイトルマッチで戦えたこと、これは本当にすごい財産だと思います。感謝しています」とレジェンドを2―1の判定で下した一戦の重みをかみしめた。

 鼻と目を腫らした顔で会見に現れた堤は「鼻が折れているのと、鼻の中が裂けているので縫ってきた。腫れているからサングラスをかけたいが、鼻の頭に負担がかかるからサングラスもしないでと言われた」と説明し、氷嚢(のう)を患部に当てながら「ちょっと、この悲しい姿で会見させていただきます」と苦笑した。会見中に、鼻血が垂れ落ちてくるなど、激戦のダメージをうかがわせた。

 前夜の試合後は家族と会い、朝5時過ぎに就寝し、8時ぐらいには起きて病院に向かったという。ドネア戦の映像は、SNSなどにアップされているダイジェストを見返したそうで「僕が効かされたシーンがたくさん回ってるのを見ました」と自虐コメント。「苦戦しましたね。今行かないといけないと分かっているけど、行けなくさせる強さ、カウンターも警戒しなければいけない、そこの怖さはずっとあった。僕としてはもっと殴りに行かないとなという気持ちはあったが、それをさせてもらえなかった。そういう向こうの経験値をすごく感じた試合だった」と試合を振り返り、「試合としてはすごく面白い試合っていうものにはなると思うが、(自分の)ボクサーの価値が上がるわけではない内容なのかなと思います」と続けた。

 今月24日に30歳となる。「そうですよね、20代最後の試合だったってことですもんね。よかったです。30歳の誕生日、チャンピオンじゃなかったら結構つらかっただろうな。よかったです」とうなずいていた。

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