◆プロボクシング ▽54・0キロ契約8回戦 〇坂井優太(1回TKO)ボーンルエン・パヨーム●(18日、東京・後楽園ホール)

 2022年世界ユース選手権バンタム級優勝などアマ7冠で日本同級6位・WBOアジアパシフィック同級12位の坂井優太(20)=大橋=が、WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級11位ブーンルエン・ファヨン(タイ)を1回2分10秒TKOで下し、デビューから無傷の6戦連続KO勝利を飾った。ブーンルエンの戦績は15勝(15KO)5敗。

 初回、細かくジャブを突き、左ストレートでダウンを奪うと、続けて右でダウンを追加。最後はワンツーからの右ボディーで、ブーンルエンを吹っ飛ばしてトドメを刺した。

 「狙ってはいなかったが、結果いい形に終われ。今回は過去イチ練習してきたと言ってもいいぐらい追い込んできた。その成果を出そうと思ってやっていた」。フィジカル強化を重点的に取り組み、「僕、懸垂が1回しかできなかったんですよ。でも、この1か月半ぐらいで30回ぐらいできるようになったんで」と驚異の“進化”を遂げた。

 先月のWBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心(27)=帝拳=に判定勝ちして、王座返り咲きを果たした井上拓真(29)=大橋=のスパーリングパートナーも務め、計31ラウンド拳を交えた。天心戦を見て「思いきって前に出ていたんで、僕がやっていた時に嫌だったことを天心選手にもしていた」と感じたという。

 「やっぱり世界チャンピオンとスパーリングができるというのが良いモチベーションになって、そこから試合まで持ってこられたんで。拓真さんのおかげです。すごい緊張感を持ってやれたんで、すごい良い経験になりました。

拓真さんはやっぱりスピードが早く、巧妙な連打も世界レベルだと感じた。緻密(ちみつ)に一発一発を狙ってきていた」

 坂井はアマチュア52戦50勝(7RSC)2敗の戦績を残し、昨年6月にプロデビュー。今年6月に日本ユース同級王座決定戦で宮下椋至(JM加古川)を2回TKOで下して初タイトルを獲得している。

 リング上では「来年あたりタイトルマッチをやりたい気持ちは大きくなっている」と意欲を示した。現在は日本同級6位、WBOアジアパシフィック同級12位にランクされている。父・伸克トレーナーは「来年は何かしらのタイトルに絡んでいければ」と世界挑戦へのステップとして、地域タイトル獲得を見据える。坂井は「今年の自分を超えられるように」と2026年の飛躍を誓った。

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