東京都U―18サッカーリーグ(T1リーグ)で初優勝を果たした町田ユースは、高校年代で2番目のカテゴリーとなるプリンスリーグ(関東は2部もあり)昇格をかけた参入戦に挑む。初戦は20日に鹿嶋市ト伝の郷運動公園で山梨代表の帝京三高と対戦。

勝ち上がれば、22日の決勝(同会場)で群馬代表の常磐高と埼玉代表の成徳深谷高の勝者と戦い、勝利すれば初のプリンスリーグ昇格が決まる。

 町田ユースの中山貴夫監督は18日、オンラインで取材に応じ、「ゼルビアのユースとして初の参入戦。もちろん緊張感もあるし、こういうチャンスを逃さずに昇格を逃したくない気持ちも強い」と言葉に力を込めた。当日はサポーターも駆けつける予定で、移動にはトップチームが遠征時に使用するバスも利用。強力なバックアップ体制で悲願をつかみに行く。

 クラブの歴史が前進した年だった。先月16日にユースが初優勝を飾ると、同22日にはトップチームが天皇杯で優勝。市民クラブから始まったチームが、創設から36年でついにタイトルを獲得した。中山監督も「目指すべき所であるトップチームが日本一になり、選手たちもカテゴリーを上げて自分たちもそこに近づいていこうという意思を口に出している」と、選手の意欲につながっていることを明かした。

 トップの次は、アカデミーの番だ。これまでの試合はリーグ戦だったが、参入戦はトーナメント形式。独特な緊張感があり、かつ各都道府県のリーグを勝ち進んだ強豪だ。

指揮官は「一発勝負に集中することで、熱量が高い部分もある。逆に言うと、緊張感が高まってきた中でいつもより自分がやるんだという意思が強くなり、うまく行かなくなったりすることも多々ある」と指摘する。

 ただ、指揮官の信頼は揺らがない。T1リーグで2位と勝ち点12差を離し、年間を通じて安定した強さを見せてきたことから「チームとして目指す方向性が1つになっている。本番には1つの大きな力を発揮してくれると信じている」と期待を寄せた。「うまい、賢い、タフ」を育成コンセプトに掲げ、戦術的なサッカーで徐々に成果を残してきた町田ユース。プリンス昇格で、クラブの歴史にまた1つ箔(はく)をつけたい。

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