◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽ミドル級(72・5キロ以下)5回戦 佐々木革―テイラー海(20日、東京・後楽園ホール)

 12階級の出場者が19日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで行われた前日計量に臨み、ミドル級は東軍・佐々木革(かく、20)=八王子中屋=が72・5キロ、西軍のテイラー海(22)=本田フィットネス=が800グラムアンダーの71・7キロでともに一発クリアした。

 戦績は佐々木が6戦全勝(3KO)、テイラーが2戦2勝。

 計量をリミットでパスした佐々木は「KOを狙いたい」と堂々のKO宣言だ。「相手はテクニックのある選手ですが、パワーでねじ伏せる。そうすれば、先が開く。この先を見据えてKOで勝ちたい」と力を込めた。

 兄は今年6月、WBO世界ウエルター級(66・6キロ以下)王者ブライアン・ノーマン(米国)に挑戦(5回KO負け)した佐々木尽。19勝(17KO)という破壊力を持ち、WBOアジアパシフィック、東洋太平洋同級王座に君臨した兄は常々「KOを狙ってKOしなければ」と口にしており、弟もその言葉をしっかりとかみしめている。

 「これまでのような防御とカウンターではだめ。もっと上を目指すボクシングでないと。ベースの戦い方は変えないが、判定狙いではなく、倒しにいくボクシングをしないと」と佐々木。試合のポイントは「足」だと言う。「相手の出入りが速いので、自分も。相手に“足”があるぶん、自分も“足”の差を縮めていけば、あっさりKOを取る自信はあります」と言い切った。

 兄はライト級時代に東日本新人王に出場した経験があるが、決勝で棄権。それだけに全日本新人王は兄も手にしていない称号だ。「多少は意識しています。(兄に)いい顔をしたいので」と笑った佐々木。その後、口を真一文字にして気を引き締めていた。

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