◆プロボクシング▽IBF世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦(27日・愛知県国際展示場)

 王者・矢吹正道(33)=緑=が19日、名古屋市内の所属ジムで練習を公開し、同級1位で元IBF世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王者のフェリックス・アルバラード(36)=ニカラグア=との初防衛戦へ向け、現役世界王者同士の“ガチンコスパー”を披露した。

 矢吹がスパーリング相手として招いたのは、現IBF世界ライトフライ級王者・タノンサック・シムシー(25)=タイ、グリーンツダ=。

4ラウンドの激しい打撃戦を展開し、他選手との実戦練習も含む合計144ラウンドに及ぶスパーリングを打ち上げた。現在5連続KO勝利中の矢吹は「間違いなくKO決着になる。自分が倒される可能性もある。接近戦でも中間距離でも、ほどよい距離を保ちたい」と気を引き締め、KO防衛を見据えた。

 矢吹とタノンサックは互いに無冠の22年9月に、三重・四日市で対戦。矢吹が7回TKO勝利した。タノンサックも敗戦を糧に世界王者となり、今回の“再会”が実現。タノンサックは「矢吹選手は私と対戦したとき以上に強くなっている。カウンターからのラッシュでKO勝ちするでしょう」と予想した。

 スピード対策も踏まえ、現在は一階級下のタノンサックに練習相手をオファーした矢吹は「自分と試合した時より技術も付いている。現役の世界王者なので力になる。次の試合もいける」と5日間計26ラウンドのスパーリングに好感触。

旧敵のサポートも得た充実の最終調整を経て、KO防衛で今年を締めくくる。

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