◆全道高校スケート第2日(20日、釧路市柳町スピードスケート場)

 男子2種目と女子1種目が行われた。女子1000メートルは、11月のジュニアW杯(イタリア)女子500メートルで金メダルを獲得した帯広三条・奥秋静子(3年)が1分22秒11で制し、連覇達成。

前日に得意種目の500メートルで敗れた雪辱を果たした。男子1000メートルは、白樺学園・久保颯大(3年)が1分13秒09で優勝し、3連覇を成し遂げた。

 奥秋が女王の底力を見せつけた。最終コーナー。帯広南商・笹渕和花(3年)をインコースから勢いよく追い抜いた。「氷が硬い感じがして、足にくるのが早かった。それでも最後まで頑張って粘れた」。2連覇に安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 理想通りの展開だった。2日連続同走の笹渕が200メートル通過で0秒25リードしていたが、「先行されるのは想定内」と慌てない。スピード、体力で勝る男子選手の後ろに付いて滑る練習を増やし、磨いてきた粘り強さを終盤に発揮した。徐々に差を詰め、終わってみれば1秒01の差をつける完勝だった。

 11月のジュニアW杯女子500メートルで金メダルを獲得した。今大会初日の同種目でも優勝を期待されていたが、ライバルの笹渕にわずか0秒03差で敗戦。それでも「世界で勝てても油断できない立場というのを実感できた。すごくいい負けの経験」。すぐに気持ちを切り替え、危なげなく翌日は表彰台の頂点に立った。

 来年1月のインターハイ(栃木)では、500メートル3連覇と1000メートルとの2冠が目標だ。「3年間の集大成。ベストを尽くしたい」。敗北で目を覚ましたスプリンターが、高校最後の大舞台で誰よりも早くゴールを滑り抜ける。(島山 知房)

 〇…白樺学園の久保が、男子1000メートルで3連覇だ。11月のジュニアW杯500メートル銅メダルの軍司冬馬(白樺学園3年)と同走。600メートル通過まではリードを許したが、最後は0秒15差で競り勝った。

同W杯に出場予定だったが、インフルエンザで欠場。40・9度まで体温が上がり、1週間ほど氷上から離れた。現在も状態が上がりきらない中での勝利に「実力のある軍司選手に勝てたというのは大きい」とうなずいていた。

編集部おすすめ