◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽ミドル級(72・5キロ以下)5回戦 〇佐々木革 (4回TKO) テイラー海●(20日、東京・後楽園ホール)

 ミドル級は東日本新人王の佐々木革(かく、20)=八王子中屋=が、西軍のテイラー海(22)=本田フィットネス=に4回1分21秒、TKO勝ち。全日本新人王を獲得した。

 戦績は佐々木が7戦全勝(4KO)、テイラーが2勝1敗。

 佐々木が強烈な右一発でテイラーをキャンバスに沈めた。レフェリーがノーカウントで試合を止めると、リングサイドから見守った兄・尽(24)=八王子中屋=は喜びを素直に表した。「テイラー選手はタフでいい選手だなと思った。倒せて勝てて良かった」と弟もリング上から心境を明かした。

 「あのパンチは手応えがありました。練習していたパンチで、狙ってできた」と手応えを口にした革。KO勝ちを狙い、チャンスを見計らって「右をためていた」という。尽はライト級時代に東日本新人王に出場していたが、決勝を棄権しており、新人王タイトルを手にすることができなかった。「兄を一時的に超えた」と笑ったが、「今日の試合だと、ダメ出しをもらうかも」と頭をかいた。

 兄は今年6月、WBO世界ウエルター級(66・6キロ以下)王者ブライアン・ノーマン(米国)に挑戦したものの、5回KO負け。来年2月に再起を目指しているが、その兄に刺激されている革も「負けないように強くなって、兄よりもっと魅(み)せる試合をしたい。

兄を超えることが目標」だという。

 来年はミドル級で日本ランキング入りするのは確実だが、革は「スーパーウエルター級(69・8キロ以下)でも一度やってみたい」と自らの可能性を探っている。それでも「KO勝ちを狙う」姿勢だけは貫く決意だ。

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