フィギュアスケート 全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 第2日(20日、東京・代々木第一体育館)

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位から出た鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が183・68点、合計・287・95点で優勝。父の正和コーチ(54)と史上初の父子連覇を達成し、父に並ぶ2大会連続の五輪代表に内定した。

SP5位から出た佐藤駿(21)=エームサービス・明大=が188・76点、合計276・75点で2位。逆転の表彰台で五輪切符当確となった。

 鍵山選手は転倒こそありましたが、ジャンプの質の高さ、スピン、ステップの出来栄えの素晴らしさはさすがです。一貫して音楽を感じながら全身で滑る動きが高い演技構成点をたたき出しました。来年の五輪はオペラの本場イタリア。「トゥーランドット」の完成形を楽しみにしているファンはたくさんいると思います。

 佐藤選手は落ち着いて一つ一つを丁寧にこなしていく様がスケート職人のようでした。「火の鳥」の後半にかけて盛り上がっていく表現も、昨季からさらに進化したように見えました。三浦選手は直前練習でなかなか決まらなかった4回転ループを完璧に決め、乗っていきました。持ち味の世界一速さのあるジャンプを跳び続けた姿に、五輪への執念を感じました。

 五輪では圧倒的強者、イリア・マリニン(米国)と戦うことになります。他にも数種類の4回転を駆使する選手が多く出場しますが、日本男子の複数メダルは十分可能性があります。

自分が何を表現したいのか、何を見てもらいたいのか、しっかりと心の物差しを持って、大舞台でもブレずに頑張ってほしいです。(2010年バンクーバー五輪代表・織田信成

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