バレーボール ▽全日本選手権(天皇杯・皇后杯) 最終日 大阪M 3―2(26―24、16―25、33―31、24―26、17―15)NEC川崎(21日、京王アリーナ東京)

 女子決勝で大同生命SVリーグ首位のNEC川崎が、昨季リーグ女王で今季4位の大阪Mに対し、約3時間にも及ぶフルセットの死闘の末に競り負けた。敗戦後、エース・佐藤淑乃はベンチに戻ると、膝から崩れ、大粒の涙があふれた。

「フルセットまで行って、勝ちきれなかったのがすごく悔しいです」と言葉を振り絞った。

 1―2の第4セット(S)で、NEC川崎は23―24と相手に、先にチャンピオンシップポイント(P)を握られたが、セッター・中川つかさの渾身のトスから速攻で25点目を奪い、最後はネット際の攻防で、映像判定を要求。相手のタッチネットがあってこのセットを取り切り、最終Sまで持ち込んだ。

 最終Sは7―9の連続失点の後、エース・佐藤がスパイクを決めて悪い流れを断ち切ると、10―10の場面で山田二千華主将が一枚ブロックで止めた。雄たけびとともに一気に流れをつかみ、14―11で先にチャンピオンシップPを握った。優勝が見えたかと思われたが、相手のタイムアウトの後、悪夢に襲われた。大阪Mの得点源・林琴奈にスパイクを決められ、14―14の場面では林のサーブに対し、佐藤は左に腕を伸ばしたが、拾えずに失点。赤く染まった会場から悲鳴が上がった。

 大阪Mとは、今季リーグでは2戦ともにフルセット勝ちしていたが、昨季リーグ決勝に続き、日本一を懸けた戦いでは一歩及ばなかった。セッター・中川は「(最終Sの)14―11の場面で自分たちは1点が取りきれなかった、3点を取られたというのが今の自分たち。改めて気づかされた大会。そこを詰められればタイトルを取れる力は絶対にあると思う。

下を向くことなく、そこを見てやっていきたい」と、首位を走るリーグでの雪辱へ顔を上げた。

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