真新しいユニホームに袖を通したドラフト2位の桜井頼之介(よりのすけ)投手(22)=東北福祉大=は、涙を拭う母を見つめた。「自分が頑張っている姿を見せることが一番の恩返し。
兵庫・尼崎市出身の153キロ右腕には活躍を届けたい人がいる。2016年に、母・麻衣子さん(58)に大腸がんが見つかった。「あまり理解ができてなかった」と回想したが、当時、中学1年だった桜井は電車とバスを乗り継ぎ、お見舞いに行った。
聖カタリナ学園(愛媛)に進学し、親元を離れた。現地での応援はほとんどできなかった病床の母からは「全国大会に行って。応援に行けるから」と懇願された。3年春のセンバツにエースとして出場。大学4年時には全日本大学野球選手権大会に出場し、福井工大との決勝(神宮)で9回完投。チームを7年ぶりの日本一に導いた。「全国の舞台で、親に試合を見せることが目標だった」と一心不乱に腕を振った。
3度の転移を乗り越え、ほぼ寛解した麻衣子さんは「これからの楽しみが増えた。厳しい世界だけど、道を開いてほしい」と笑った。恩返しは始まったばかり。スライダーを武器に、次はプロの世界で大きく羽ばたく。(森下 知玲)
◆桜井 頼之介(さくらい・よりのすけ)2003年7月21日、兵庫・尼崎市生まれ。22歳。難波小1年から難波ホークスで遊撃手。尼崎中央中時代は尼崎ボーイズで遊撃手。聖カタリナ学園では2年秋に本格的に投手転向し、3年春にセンバツ出場。東北福祉大ではエースとして4年春のリーグ戦でMVPを獲得。同年の大学野球選手権大会では最優秀投手に輝き、日米大学野球選手権大会の日本代表にも選出された。175センチ、68キロ。










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