日本フットボール界に新たな歴史の扉が開かれる。社会人アメリカンフットボール・Xリーグの強豪として知られるオービックシーガルズは22日、来年1月5日から米フロリダ州ネイプルで開催される「第15回 ナショナル・スカウティング・コンバイン(NSC)」に、所属するDLショーントゥローター礼と、来春加入予定のWR溝口駿斗(関西大)の2人が正式招待されたと発表した。

同コンバインへの日本人選手の参加は、史上初めて。

 今回、挑戦するのは、異なるバックグラウンドを持つ2人の若武者だ。DLのトゥローターショーン礼は関西学院大で4連覇に貢献し、2024年のパールボウルで勝負を決めるQBサックを炸裂させるなど、圧倒的な存在感を見せつけた。今回の渡米は、単なる挑戦ではなく「リベンジ」の場でもある。ショーンは「NSCは自分の実力をアメリカのスカウトに見せるいい機会なので、参加できることに感謝して、アピールできるように頑張ります」と決意表明。「昨年のフラボウルでは思うような結果を残せなかったので、今回はあの時から成長していることを、実践することで証明します」。過去に招待された米大学オールスター戦「フラボウル」での経験を糧に、確かな成長を世界に示す。

 もう1人は、関西大での活躍を経て、来春のオービック加入が決まっているWR溝口駿斗。Xリーグデビューを前に、米国の舞台でその実力を試すこととなる。溝口は「今回、NSCに参加できることを大変光栄に思っています。日々支えてくださっている指導者やチームメイト、関係者の皆さまへの感謝を胸に、フィールド上で自分の強みを示したいです。この舞台で結果を残し、次のステージにつながる評価を勝ち取れるよう、全力を尽くします」とコメントした。

 NSCは、NFLやCFL(カナダ)、UFL(ユナイテッドフットボールリーグ、春開催のプロリーグ)などが「隠れた才能」を発掘するために注視するイベントだ。従来は「米国人選手がXリーグなどの契約を勝ち取るための登竜門」としての位置づけだったが、今回の2人の挑戦で、日本選手にとって新たな流れが生まれる可能性がある。5日間のプログラムでは、レーザー計測や1on1に加え、オールスターゲームを予定する。日本のフットボール選手が持つ可能性を世界に示す試金石となる。

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