◆全道高校スケート 最終日 (21日・釧路市柳町スピードスケート場)

  男女の1500メートルと団体種目が行われた。男子1500メートルは、白樺学園・久保颯大(3年)が1分53秒97で2連覇。

1000メートルとの2冠を達成した。女子1500メートルは、帯広三条・黒坂理央(1年)が2分14秒18で初優勝を果たした。学校対抗男子は白樺学園が10連覇、女子は帯広南商が4年ぶりの頂点に立った。

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 王者の貫禄だ。7度を超える季節外れの気温で氷の滑りが悪く、濃霧と強風も重なるコンディション。それでも久保が慌てることはなかった。「(氷が)重たいリンクは焦って動かすと足にくる。冷静にスケーティングすることを意識した」。悪条件をものともせず、昨年同会場で行われたレースのタイムを1秒48上回りゴール。格の違いを示した。

 持続力が最大の強みだったが、高校最後のシーズンを前に一瞬のスピードを磨いてきた。「ラップ以外に秀でたものがなかったので、最初のスタートだったり、上がりラスト1周の底上げを目標にしてきた」。

夏場は上半身と下半身をつなぐ「腸腰筋」を徹底的に強化。瞬発力を高め、この日も最初の300メートルをトップタイムで通過。持ち味の持続力でスピードを保ち、最後は2位に2秒70差を付ける圧勝だった。

 祖父・正寿さんが、五輪2大会連続金メダル獲得の高木美帆(TOKIOインカラミ)を小学生時代に指導するなど、スピードスケート一家で育った。兄・向希(オカモトグループ)は男子1000メートル元日本記録保持者。姉・杏奈(JTB)は22年のインターハイ女子1000メートルを制している。アドバイスを求めることはないが、兄姉が出場した大会の成績はこまめに確認し、モチベーションにつなげているという。

 インターハイは、昨季に1000メートル、1500メートルの2冠を達成。今季は、1000メートル2連覇の向希も成し遂げていない2年連続2冠の偉業に挑む。「兄と戦えるレベルに確実に近づいている。きょうだいで互いに高め合っていけたら」。久保家の“最終兵器”として、全国舞台でも兄姉に負けない才能を見せつける。

(島山 知房)

  ▽男子1500メートル 〈1〉久保颯大(白樺学園)1分53秒97〈2〉長岡歩太(白樺学園)1分56秒67〈3〉坂野誠道(白樺学園)1分57秒87

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