全国高校バスケットボール選手権(ウィンターカップ)は、23日に東京体育館などで開幕する。男子の部で3年連続出場の駒大苫小牧は、24日の1回戦で米子松蔭(鳥取)と対戦。

SG田島翼(3年)は、父・範人ヘッドコーチ(HC、50)との親子鷹で臨む最初で最後の全国舞台で過去最高の8強以上を目指す。

  駒大苫小牧の田島が、憧れの大舞台に父と立つ。熾烈(しれつ)な争いを勝ち抜いて全国では初めてユニホームを着ることになり、「今までやってきたことを出し切りたい」と気を引き締めた。

 中学3年時。20年以上同校を率いる父から厳しい言葉をかけられた。「忖度(そんたく)ないからな。そんな甘い世界でやってない」。公立校への進学と悩む時期もあったが、最後に選んだのは選手と指導者の関係だった。1年時は上級生への接し方に戸惑うこともあったが、2年前の主将・井上慶邦さんの「親子の縁は気にしないでやるから、気持ちを重くしないで頑張れ」という言葉で吹っ切れた。

 同級生は全国、全道各地から集まってきた有望選手ばかり。「レベルの違いに絶望した」と入学当初は実力差を感じていた。それでも、毎朝の練習などで持ち味のシュート力を磨き、最後の最後で全国初のメンバー入り。

範人HCも「努力が報われたんじゃないかな」とうなずく。

 卒業後は大学進学するが、第一線からは退く予定だ。今大会が競技人生最後の公式戦になる。「大舞台でシュートを決める姿を両親に見せたい。親子で最後は笑って終われれば最高ですね」。父と最後の“共闘”で成長の証しを示す。

(島山 知房)

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