ロッテから佐々木朗希投手(24)と共に海を渡り、ドジャースで理学療法士(PT)として世界一を経験した伊藤憲生氏(31)が22日、母校の徳島文理大で特別講演「ロサンゼルス・ドジャースでの理学療法士の役割」を行った。母校の後輩や関係者らの前で約90分間の講義。

佐々木と同じメジャー1年目を「選手の日々の準備など、陰の努力を目の当たりにし、勉強させていただいた。チームの一員として、1年目からワールドシリーズのチャンピオンを経験できたことはすごく財産。来年以降も選手が活躍できるよう、また来年もサポートを頑張りたい」と振り返った。

 伊藤氏はロッテで23、24年の2年間在籍。同年オフに、佐々木のポスティングシステムによるメジャー挑戦が決定し、伊藤氏も渡米した。米1年目シーズンは開幕2戦目の先発を託されるなど期待も大きかった佐々木だが、5月に右肩インピンジメント症候群で離脱。つきっきりで見ていた伊藤氏は当時を「この3か月は自分がPTになってから、一番しんどかった。だけど、なぜしっくりこない感じがあったのかも全て分かって解決し、滑り込みでメジャーに戻ることができた」と回顧。9月にリリーフ転向で復帰した佐々木は、ポストシーズンでは9登板で3セーブ、2ホールドと大車輪の活躍を見せ、結果で復活を証明した。

 激動の1年を共にした佐々木への感謝の思いは尽きない。伊藤氏は「(佐々木は)誰もがあきらめるであろう現状を、それをあきらめずに自分にも見せてくれましたし。そういう彼の中の探求心であったり、あきらめない気持ちも自分の中ですごく刺激にもなってて、彼をサポートしたいなと日々、感謝の気持ちがすごくありますね」と話した。

 ◆伊藤 憲生(いとう・けんせい) 1994年3月23日、愛媛・今治市出身。今治東高をへて徳島文理大保健福祉学部理学療法科に入学。卒業後は医療法人慈和会「吉田整形外科病院」に入職。23年にプロ野球・ロッテに入社し、24年にはリハビリ部門でチーフトレーナーを務めた。25年に佐々木と共にドジャースに加入した。アメリカ遠征地での楽しみは「コーヒー巡り」。

編集部おすすめ