ヤクルトからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた村上宗隆内野手(25)が21日(日本時間22日)、Wソックスと2年3400万ドル(約53億7200万円)で契約を結んだ。球団が正式発表した。
当初は1億ドル(約158億円)規模の長期契約になるという予想もあった村上争奪戦は、低迷するWソックスとの2年契約で決着がついた。
短期契約は村上にメリットもある。25歳とまだ若く、2年後のオフもまだ27歳。この2年間で活躍すれば、10年契約クラスの大型契約を結ぶことも可能だ。早い段階で結果が出なければシビアな判断をされるというデメリットもあるが、球団側にとってもリスクの少ない契約だ。ただ、契約金の総額に応じて古巣に支払われる譲渡金は10億円ほど。山本の移籍でオリックスには70億円超が支払われたとされ、ヤクルトにとっては少々期待外れだった側面もあるかもしれない。
再建中のチームに入ったことにも前向きな材料はある。レギュラーが確約された選手はほぼおらず、結果やチームの成績に左右されず、辛抱強く起用される可能性が高い。ヤクルト時代の成績は申し分ないとは言え、メジャーで1年目からいきなり結果を残すことは簡単なことではない。
ドジャースなどのように、いきなり頂点を目指すような“ヒリヒリする”戦いは縁がないかもしれない。個人で成績を残しても、チームが低迷し続ける可能性もある。だが、その場合でも短期契約がプラスに働く面もあり、トレードでWS制覇を狙うチームに移籍となる選択肢も浮上する。チーム事情に左右されることなく、自身の打撃や守備を磨くことに専念できる環境には恵まれそうだ。
FA野手の移籍市場の動きが鈍く、村上の三振率の高さや守備面での課題を指摘する声もあって大型契約には至らなかった。だが、2年後に大型契約をつかめば、そうした雑音も忘れられるだろう。(MLB担当・安藤 宏太)










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