強い個性を放つ役者も多い中、高杉は誠実な人という印象が強い。2018年、アニメ映画「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」で、声優を務めた高杉をインタビューした時のこと。

アニメ好きの高杉にとって、念願の声優デビューで、役作りにも力が入っていた。自宅でアフレコ用の映像を流し、自分の声を録音。台本を読み込み、自ら役の履歴書を書き記して演技の枠組みにするなど、実直に向き合った。

 インタビュー、舞台あいさつなど全ての場で放つ言葉はどれも真面目一辺倒で、原稿を書くときに苦戦した記憶が多々ある。それでも、インタビューから7年がたった今も、ここまで真面目という言葉が似合う俳優はいないと思い返すほどだ。

 3人兄弟の長男。幼少期は地元ケーブルテレビのアニメ専門チャンネルで、「じゃりん子チエ」や「ドラゴンボール」などを朝から晩まで見ることが好きだったという。「インドア派」と語る一方で、デビューのきっかけは、地元の花火大会で堀北真希黒木メイサらを輩出した、女優発掘・育成に定評のある芸能事務所「スウィートパワー」から、女の子に間違われてスカウトされたこと。同社の男の俳優第1号としてデビューした。先輩女優たちから大事に、愛されて育った高杉の素顔を「純粋無垢(むく)」と表現する関係者もいる。

 同じインドア派で、5歳年上の人気女優との結婚。これまで熱愛を報じられることはなかったが、納得のカップルだ。

自然体でいられる夫婦関係を築くに違いない。

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