浜松市出身の元Jリーガーで、JFLクリアソン新宿のFW岡本達也(39)が22日、北極圏探検などで知られる探検家・角幡唯介さん(49)と東京・紀伊國屋書店新宿本店でトークイベントを行った。40歳目前になっても現役を続ける岡本が角幡さんの最新刊「43歳頂点論」(新潮文庫)に感銘を受けて対談を依頼。

快諾されてイベントが実現した。

 サッカー選手でありながらも、現在は山を走る魅力に取りつかれている岡本が最も尊敬する人物が角幡さん。イベントで対面すると「メッシやC・ロナウドよりも、死ぬまでに一番お会いしたかったのが角幡さんです」と感激した。イベント前には興奮のあまり、丹沢山域を30キロ走ってから会場入りした。

 前人未到のチベット峡谷や北極探検などで生死の境目を歩いてきた角幡さんは、歳とともに落ちる体力と経験値のギャップが生じる「魔の領域」を43歳だと考えている。本書では実際にこの歳に命を落とした植村直己さんや長谷川恒男さんらを例に挙げて独自の説を展開している。

 本書は体力の衰えと闘う30代以上のアスリートから大きな反響があるという。来年も現役を続ける岡本も感銘を受けた一人。ジュビロ磐田ユースからトップチームに上がったが2年で戦力外通告。その後は順大に進学してから再びJリーグに戻ったサッカー人生を振り返りながら「主流のルートではなくても、人との違いをちょっとずつ積み重ねた自分の人生は充実度の高いものだと気づかせてくれたのが角幡さんの著書でした」と語った。

 来年40歳になる岡本に対して角幡さんは「やばいですよ」と笑って警告。「30代はすごく大事な時期。

何をしたかで40代で見えてくる景色が違ってくると思う」とアドバイスを送っていた。

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