巨人・石塚裕惺内野手(19)が「坂本ロード」を歩む決意を示した。23日、開幕1軍と坂本以来となる高卒2年目のレギュラー獲得を誓った。

都内の球団事務所で契約更改に臨み、30万円増の年俸1230万円でサイン(金額は推定)。高卒2年目でレギュラーに定着し、レジェンドとなった偉大な先輩をイメージし「僕も続けるように」と誓った。1月は坂本とともに合同自主トレを行い、多くを吸収する構え。チームの未来を担う大器は、2年目に一気のブレイクを目指す。

 強い決意が石塚の目の奥に宿った。契約更改を終えると、2年目の飛躍へ思いをはせた。イメージのど真ん中に坂本がいた。「数少ないチャンスだと思うけど、そこをものにされたのが勇人さん。僕もそこに続けるように」。同じドラフト1位入団の偉大な先輩と同じように、高卒2年目での開幕1軍とレギュラー獲得を誓った。

 勇人ロードの第一歩として、1月に坂本との合同自主トレに参加する。「アドバイスをもらうことがすごく多くて。

もっともっと教わりたい部分がたくさんあった」と志願した理由を明かし「引き出しをたくさん持っていらっしゃる方。守備に限らず打撃、準備の仕方、考え方、いろいろなことを含めて聞けたら」と意気込んだ。

 最も学ぼうとしているのは球界最高峰の守備。坂本とキャッチボールをした際に「すごくきれいな質のいいボールを投げられていて、そこにたどり着きたいなと感じた」と一級品の球筋にひかれた。遊撃手として5度、三塁手として1度、ゴールデン・グラブ賞に輝いたレジェンドのように「味方が安心するような守備を目標に」と理想を掲げた。

 今季は2軍で主に遊撃を守ったが、1軍では泉口がレギュラーに定着。球団からは「『三塁でも出られる準備を』と話を頂いた」と明かした。「自分の売りは打撃。そこを伸ばしつつ、空いたポジションのレギュラーを取りにいくぐらいのつもりで」と守備位置にこだわらずレギュラー獲得に臨む。11月から約1か月半参加したオーストラリア・ウィンターリーグでは打率3割1分8厘をマーク。着実に成長しており、アピール次第で開幕スタメンの可能性も十分にある。

 高卒1年目のイースタン打率3割2分7厘は、坂本(2割6分8厘)を大きく上回る。

通算2447安打の背番号6も「明らかに周りの18歳とやっている(練習)量も違うし、人としてしっかりしているというのも感じる」と評する。シーズン終盤に1軍でプロ初安打を放ったが「個人的にはやっぱりレギュラーで出たい思いが強い。開幕1軍を目標にして、その中でずっと1軍にいて優勝の戦力になれるようにやっていけたら」と野心を口にした石塚。坂本に学び、坂本の道を歩む。(臼井 恭香)

 ◆坂本のプロ1、2年目 07年に1軍で4試合に出場し、3打数1安打2打点1盗塁で三振ゼロ。プロ初出場は7月12日の阪神戦(東京D)で阿部の代走から。9月6日の中日戦(ナゴヤD)で代打で中前へ決勝2点打を放ってプロ初安打初打点をマークした。イースタンでは「3番・遊撃」に定着した。2年目は「8番・二塁」で開幕スタメンに抜てきされると、二岡智宏の故障の穴を埋める形で遊撃の定位置をつかんだ。

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