サッカー日本代表の森保一監督は23日、相模原市内で行われた講演会に出席し、来年6月に開幕する北中米W杯でのPK戦のキッカー選定方法について言及した。

 講演会でPK戦について話題になると、森保監督は2022年カタールW杯の決勝トーナメント1回戦クロアチア戦でのPK戦を回想。

当時はPKを蹴る選手と順番を決めていたが、最終的には挙手制を選択した。「手を挙げる時点ですごいプレッシャーがかかる。自分で蹴ることがどれだけ勇気がいるか。その勇気を自分自身はたたえたかった」と、当時の状況を回顧しながら理由を説明。結果的には1―3で敗れたが、選手が見せた心意気を評価した。

 一方で「選手の勇気をたたえ、責任も受け取っているつもりではあるが、責任を背負ってしまう選手もいる」と、自主性に委ねたことで、選手の責任がより増えてしまったと反省。「次のW杯でPKになった場合は、自分で(選手と順番を)決めて、選手に(PKを)蹴ってくれと伝えることも(考えている)。今、(挙手制と)両方を今は持っています」と、指名制と挙手制の両方を検討していることを明かした。

 講演会後に行われた報道陣の取材でも、改めてPK戦のキッカーについて言及。「PK戦に行かないで勝てるようにしたい」と笑いながら「両方を準備して、PK戦が来たときに最後に判断したい」。その上で「2期目になって、PK戦がない親善試合でも、PK戦の練習をしてコツコツと積み上げている。勝つ確率を高められる最後の判断をしたい」と話した。

 講演会では、先天性難聴を抱えながら昨年のU―20女子W杯で準優勝に貢献し、将来的な「なでしこジャパン」入りを目指す、WEリーグ・ノジマ相模原のFW笹井一愛(ちなり)との対談を実施。右耳が全く聞こえず、わずかに聞こえる左耳に補聴器をつけてプレーする21歳と、夢と挑戦をテーマに語り合い、森保監督はサッカー選手を目指すまでの道のりなどを熱く話した。

編集部おすすめ