◆プロボクシング「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」 ▽スーパーフェザー級(58・9キロ以下)8回戦 堤麗斗―レオバルド・キンタナ(12月27日 サウジアラビア・リヤド、ムハマド・アブド・アリーナ)

 【リヤド(サウジアラビア)24日=勝田成紀】アマチュアボクシング9冠のWBA世界フェザー級13位・堤麗斗(23)=志成=が、会場施設内で行われた公開練習に参加。特設リングでシャドーボクシングを行い、プロデビュー4戦目へ向け「自分の持ち味はスピードやパンチの切れ。

そういうところを出して、良いフィニッシュまで持っていければ。インパクトのある勝ち方で勝ちたい」と意気込みを語った。

 アマチュアで世界ユース選手権を制した堤は、プロデビュー前からサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」の責任者を務める同国総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官に注目され、同長官がオーナーを務める米専門誌「ザ・リング」とアンバサダー契約を締結。プロデビュー戦から3戦連続で米国を舞台に経験を積み、今回が初のサウジアラビアでの試合となる。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=ら日本人選手と同じリングに上がるのは初めて。「このような豪華なメンバーと試合するってことなかなかないので楽しみたい」と笑顔で話した。

 先月、WBC世界バンタム級王座決定戦で那須川天心(帝拳)に判定勝ちして新王者となった井上拓真(大橋)のスパーリングパートナーを務めた。「過去にも何回かやらしてもらったことはあったが、その時よりもすごく強くなっていた。試合でああいう風に結果を出すのはすごい刺激にもなったし、学ぶものもあった。スピード感や戦い方や修正力っていうのはすごいと重った」と収穫を口にした。

 同興行に出場予定だった兄のWBA世界スーパーフェザー級3位・堤駿斗(26)=志成=は練習中に眼窩(がんか)底骨折を負ったため、WBA同級正規王者ジェームス・ディケンズ(34)=英国=への世界初挑戦が中止となった。駿斗はこの日、自身のXで「先程無事に手術を終えました 早くボクシングしたい」と手術を受けたことを報告した。

 麗斗は「自分から兄貴に連絡して『大丈夫?』とは伝えたが、向こうは『しっかり自分のことに集中して頑張ってね』っていう感じだった。なかなか気持ち的にも落ちている部分もあると思うんで、試合で兄貴を少しでも活気づけられればいいなと思っています」と兄を勇気づける勝利を約束した。

 戦績は堤が3戦全勝(2KO)、キンタナが12勝(KO)1敗。

 興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino ペイ・パー・ビュー(PPV)」で配信される。

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