巨人が新外国人として本格調査していた前レッドソックス傘下3Aウースターのブライアン・マタ投手(26)と正式に契約合意したことが25日、分かった。最速160キロの剛腕で先発として起用する見込み。

すでに獲得が発表されている前レイズの身長201センチの最速160キロ右腕、フォレスト・ウィットリー投手(28)との「超特急コンビ」が、課題の先発ローテの救世主として期待される。

 阿部巨人が、またまた先発補強だ。新外国人として前Rソックスマイナーのマタと契約合意に達したことが明らかになった。最速160キロの剛腕で、今季は3Aで全てリリーフとして42登板、67回1/3で93奪三振と圧倒。メジャーの金の卵が集結する故郷・ベネズエラのウィンターリーグでは、9登板(7先発)で4勝2敗、防御率1・57、34回1/3で34奪三振、7四球と圧巻の投球を披露していた。

 メジャー経験はないが、まだ26歳と若くハングリー精神がある。昨年までマイナーでは主に先発。身長190センチ、101キロの大柄な体格から剛速球、鋭いカーブ、スライダーを制球良く操る。大崩れするタイプではなく、日本向きとも言える。巨人も先発としての適性に注目し、獲得に向けた本格調査を進めてきた。

 今オフは前レイズで身長201センチの最速160キロ右腕ウィットリーと契約。ドラフト1巡目指名でアストロズ入りした逸材で、山崎とともにエース級の活躍が見込める存在。

そこにマタも加わる。160キロ超の剛速球が武器の助っ人が2人先発ローテに入ることになれば、強力コンビとして大きな期待が懸かる。

 今季、リーグ3位に終わった巨人は先発不足に苦しんだ。山崎が11勝でフル回転したが、前半戦で奮闘した赤星は後半戦は故障もあり、戸郷や井上は不調で不本意なシーズンだった。6勝のグリフィンは退団してナショナルズでメジャー復帰。日米通算200勝を達成した田中将や横川、森田、西舘ら候補はいるが、来季に向けて先発整備が重要課題に挙がっている。

 そんな中、ドラフトでは1位の鷺宮製作所・竹丸ら即戦力投手を指名。現役ドラフトでは日本ハムから大型左腕の松浦が加入した。育成契約ながら前ソフトバンクの板東も獲得。さらに助っ人補強で先発陣が厚みを増した。

 野手の新外国人として獲得した前ロイヤルズマイナーのボビー・ダルベック内野手は、Rソックスのマイナー時代にマタとチームメートだった。新加入の2人が面識があるのは慣れない環境に適応する上で心強い。

2年ぶりリーグ優勝、悲願の14年ぶり日本一へ順調に補強が進んでいる。

 ◆現状の巨人の来季支配下外国人選手

【投手】

 ▽ライデル・マルティネス 年俸12億円の4年契約1年目の今季、46セーブで最多セーブのタイトル獲得。

 ▽アルベルト・バルドナード シーズン途中に横手投げに変更した変則リリーフ左腕。複数年契約中で残留。

 ▽フォレスト・ウィットリー★ 身長201センチの最速160キロ右腕。メジャー通算13登板0勝も期待の逸材。

 ▽ブライアン・マタ★ 最速160キロの先発右腕。メジャー経験なしもマイナーでイニング数上回る奪三振。

【野手】

 ▽トレイ・キャベッジ 1年目の今季チームトップの17本塁打、51打点。米球界から熱視線も残留決定。

 ▽ボビー・ダルベック★ メジャー通算47発、マイナー通算161発の右の大砲でポスト岡本として獲得。

【注】★は新加入

 ◆ブライアン・マタ(Bryan Mata)1999年5月3日、ベネズエラ生まれ。

26歳。17歳で米レッドソックスと契約。メジャー経験はなくマイナー通算150登板(101先発)32勝30敗、防御率3・67、515イニングで553奪三振。190センチ、101キロ。右投右打。

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