将棋の伊藤沙恵女流四段が25日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた第67期王位戦予選決勝で齊藤優希四段に敗れた。女性としては初めて挑戦者決定リーグに進出、棋士編入試験の受験資格の獲得はならなかった。

 惜しくも敗れたが、予選トーナメントでは順位戦A級棋士の中村太地八段を破るなど3連勝。「運が良かったこともたくさんある」と謙遜しながらも、「中村先生だったり数多くの強豪の方と対局できることがまずうれしくて、指せることをかみしめながら。女流棋士人生で最初で最後かもしれない機会だと思うので自分の全てを出し切ろうと思った」。表情は晴れやかだった。

 勝った齊藤四段は初めての挑戦者決定リーグ入り。今年4月に29歳でプロ入り。三段リーグでは史上最高成績の17勝1敗で昇段した。「運良く勝った将棋もある中で一つ結果を出せたのは自信になるし、誇りに思う。矢倉はあまり予想していないところだったので、悔いが残る手もある。反省点もあるけど熱戦にできたのは1つよかった」と振り返った。

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