スピードスケートの全日本選手権兼ミラノ・コルティナ五輪代表選考が26日から3日間、長野市エムウェーブで行われる。

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 男子500メートルの本命は森重選手です。

安定した速さがあり、自分の調整法やコンディションの持っていき方が確立されていて、調子もかなり上がってきています。新濱選手は今季はここまで苦しんでいますが、規格外のパワーと一発の爆発力がある。気負いすぎず、普通に滑ることができれば代表に入ってくる可能性は高いとみています。

 ダークホースは広瀬選手です。シーズン開幕の時点では森重、新濱の2枚看板と思われていた中で、彼が出てきたことによって、男子500メートルの緊張感が一気に高まりました。世界に出て、W杯でも表彰台に立ち、自信をつけている選手は一気に来る可能性がある。広瀬選手がどこまで化けるか、すごく楽しみです。

 倉坪選手も地元・長野で、大会をかき回そうと狙っているでしょう。代表に入るためには攻めるしかない状況。気迫の滑りに期待したいです。この4人の戦いが中心になりますが、今の日本男子は世界で表彰台には立てても、トップに立つのは難しい状況が続いています。ここでSS標準記録(選考基準で最上位の34秒51)を切って、そこを打開するような希望を見せてほしいと思います。

(10年バンクーバー五輪男子500メートル銅メダル、元世界記録保持者・加藤 条治)

 ◆スピードスケート五輪への道 日本の出場枠は男女とも7。W杯4戦の結果から各種目の対象レース数を抽出し、平均値または中央値が3位以内だった選手は、全日本選手権参加を条件に代表選出。残りの枠はW杯での実績を基に各種目に割り振られ、全日本の成績上位者が代表入りする。女子の高木美帆と吉田雪乃が代表入りを確実にしている。

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