◆プロボクシング「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」 ▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―アラン・ピカソ▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)12回戦 中谷潤人―セバスチャン・エルナンデス▽IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ウィリバルド・ガルシア―寺地拳四朗(12月27日 サウジアラビア・リヤド、ムハマド・アブド・アリーナ)

 【リヤド(サウジアラビア)25日=勝田成紀】世界3階級制覇に挑む前WBA&WBC世界フライ級統一王者・寺地拳四朗(33)=BMB=が公式会見に出席した。23日の到着イベント「グランドアライバル」で着用したサウジアラビアの「正装」の上に、今回は「アップデートしました。

一緒だったらネタにならないじゃないですか。より正装感があるらしいです」と黒の上着を羽織ったニューバージョンで登壇した。

 同興行で世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=に挑戦するWBC同級2位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=も同じ民族衣装で登場。寺地とかぶる形になったが、「なんかうれしくて。仲間が増えたんだって。一緒に写真を撮りました」と笑顔で明かした。

 7月にリカルド・サンドバル(米国)に敗れ2本のベルトを失ったが、2日後には現役続行を決断。再起戦で、IBF世界スーパーフライ級王者ウィリバルド・ガルシア(35)=メキシコ=に挑戦する。会見後のフェースオフでは、ガルシアが距離を詰めてきた。最初は「うわ、こいつかましてきてるな」と思ったというが、「でも握手したら一気に低姿勢になって。絶対いい人やん、と。頑張ってかましてきたんやなって感じでしたね」と笑った。

 スーパーフライ級王座を獲得すれば、かねてから対戦を希望していたWBA&WBC&WBO世界同級統一王者ジェシー“バム”ロドリゲス(25)=米国、帝拳=との統一戦も現実味を帯びてくる。

 ロドリゲスと契約を結ぶ英興行大手「マッチルーム」のプロモーター、エディー・ハーン氏はこの日、寺地対ガルシアの勝者との4団体王座統一戦を「実現させたい」と明言した。IBFは、今回の試合の勝者に同級3位アンドリュー・モロニー(オーストラリア)との指名試合を指令している。次戦での4団体統一戦実現は指名試合を回避することが条件となるが、ハーン氏は「もちろんIBFからそういうプレッシャーがあるが、4団体統一戦はすごいビッグマッチ。まあ、何とかなるではないか」と手応えを口にした。

 4団体統一王者へつながる大一番。寺地は「そう言ってくれるのはすごくうれしい。すごいモチベーションが上がりますよね」と胸を躍らせる一方で、「とりあえずはこの試合に勝つということ。今はそこしか見ていない。絶対に勝ちます」と気を引き締めた。

 戦績は寺地が25勝(16KO)2敗、ガルシアが23勝(13KO)6敗2分け1無効試合。

 興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino ペイ・パー・ビュー(PPV)」で配信される。

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