人気脚本家の内館牧子(うちだて・まきこ)さんが17日、急性左心不全のため死去した。77歳だった。

内館さんの同名小説を舞台化した朗読劇「すぐ死ぬんだから」を2022年から上演してきた女優の泉ピン子がスポーツ報知の取材に応じた。

 ピン子と内館さんとの出会いは40年ほど前だという。「渡る世間は鬼ばかり」などを手がけた脚本家の橋田壽賀子さんの元に、当時会社員だった内館さんが「弟子にしてください」とやってきたことがきっかけだった。「橋田先生は『弟子は取ってない』って言ったらしいですけど、内館さんはめげずに通ってて、そのうち橋田先生の原稿の整理なんかをやるようになってた。内館さんはお酒が強かったから、特に橋田先生のご主人が気に入ったみたいで、橋田先生も『原稿整理はもういいから、お父ちゃんがお酒飲むぞって言ってるからそっちいきなさい』って。そんな感じでした」

 人柄は「はっきりした人だった」という。「すぐー」で仕事をした際は「やっと一緒に仕事ができるようになったわね」と泉と内館さんは互いに喜び合った。

 最後に会ったのは「昨年秋頃だったと思う」。天ぷら店で内館さんにごちそうになった。「そのちょっと前に入院していると聞いていて、退院してお会いしたの。そのときは全然元気でね、『また一緒に仕事しましょうよ』『来年は私がごちそうするわね』って約束してたんだけど…」と悔やみ「痛みや苦しみから解放されて、本当に安らかに眠ってほしい。天国で橋田先生や先生のご主人が迎えて『よし、酒飲むぞ!』って言ってるんじゃないかしら」と悼んだ。

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