◆ウィンターカップ ▽男子3回戦 東山70―60駒大苫小牧(26日・東京体育館)

 駒大苫小牧は、東山(京都)の地力に押し切られ3回戦で敗退。初の8強進出はならなかった。

 最後の3ポイントが、美しい放物線を描きネットを揺らした。直後の終了のブザーに、PG宮森昊太(3年)は相手選手と抱き合い、健闘をたたえ合った。「僕たちの中では一番いいゲームができて、僕も最後のクオーターには持ち味が出てきた。結果的には負けてしまったけど、内容は僕たちの方がよかったと思いますし、あそこまで苦しめられたのは、僕たちの今後にも、来年のチームにもつながっていくのかなと思います」と涙を流した。

 田島範人ヘッドコーチ(HC)は「残り5分まではプラン通りに来ていた。クロージングがうまくいかなかったというか、相手の方が上手でしたね」と悔しさをにじませた。「今日は40分を8分割して、5分ごとのシナリオを書いて、オフェンスとディフェンスのテーマを持って」と明かしたように、思惑通りの展開。第3クオーター(Q)で一時5点のリードを奪うなど、2点のビハインドで第4Qに入った。

 第4Qに入ると、試合序盤でシュート精度を欠いていた宮森が爆発。残り6分57秒で2本目の3ポイントを沈め、50―49と逆転。残り6分の時点で52―52の同点と、一歩も引かずにやり合った。しかし、ここから東山に連続3ポイントなどでじわじわリードを広げられ、押し切られた。

 田島HCは「(今の3年生が)入ってきたときに、宮森とマーベラスはよかったけど、きつい年になるだろうなと思った。それがすごく心のあるやつら、いい男の集まりなんで、逆に最後はすごくいいチームになった。もうちょっとやりたかったです、一緒に」と寂しげに語った。

 東洋大への進学が決まっている宮森は、この試合もチームトップ25得点と奮闘。石川県から留学しての3年間を振り返り「小さくて弱いだろと言われてたんですけど、今日のゲーム見てもらえば分かるんですけど、全員あきらめず、最後まで全員を信じて、田島先生を信じて、最後まで戦えるチームなので、本当に来てよかったなと思います」と話していた。

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