◆スピードスケート 全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪選考会 第1日(26日、長野市エムウェーブ)

 男子500メートルが行われ、日本記録保持者の新濱立也(高崎健康福祉大職)が34秒40で2位に入った。派遣標準記録「SS」の34秒51を切り、ミラノ五輪代表入りが確実となった。

大会直前の20日はブレード(刃)が破損。「絶望的だった」と大きな不安がよぎった。予備のものを使用してレースに臨み、好タイムに何度もガッツポーズを作った。

 スタンドでは昨年5月に結婚を発表した妻でカーリング女子、ロコ・ソラーレの吉田夕梨花が見守った。自身は9月の最終予選代表決定戦で敗れ、3大会連続の五輪出場はかなわず。「ミラノの舞台は託したよ」とエールを力に変えた。吉田は夫の活躍に涙。表彰式前には手を振り、新濱はガッツポーズで応えた。

 今年4月に沖縄・石垣島での個人合宿中に交通事故に遭い、顔面骨折などの大けがを負った。そこからのシーズンを「ずっと苦しかった」と振り返った。そんな中で支えになったのは妻の存在。ブレードが壊れた際も「大丈夫じゃない?」と楽観的な言葉で励まし続けた。

「常に前向きに言葉をかけてくれる」と苦しい時期を乗り越えられた要因となっていた。「少しは恩返しできたかな」と妻にささげるミラノへの切符となった。

 28日には1000メートルに出場。「狙っていきたい」と北京大会に続く2種目での五輪出場に意欲を見せた。

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