【リヤド(サウジアラビア)27日=勝田成紀】27日にサウジアラビアの首都・リヤドで行われるボクシングの大型興行「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」で、前WBA&WBC世界フライ級統一王者・寺地拳四朗(33)=BMB=が挑戦する予定だったIBF世界スーパーフライ級タイトルマッチが、直前で中止となった。大会関係者が明かした。

IBF世界同級王者ウィリバルド・ガルシア(36)=メキシコ=が26日の公開計量後に体調を崩し、当地の病院に緊急入院したという。

 ガルシアは51・6キロ、寺地も51・9キロで計量をクリア。両者は公開計量に参加し。フェースオフを行った後に握手を交わし、ガルシアは「明日は勝つ」と意気込んでいた。

 代替選手による試合も行われず、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=の防衛戦など全5試合が予定されていた興行は4試合で行われることとなった。

 寺地はWBA&WBC世界フライ級統一王者だった7月30日、リカルド・サンドバル(米国)の挑戦を受け、ダウンを奪いながらも1―2の判定負け。2本のベルトを手放した。しかし2日後の8月1日には「すぐ前を見て歩く気持ちになった」とジムのミーティングで現役続行を報告。スーパーフライ級を新たな戦いの場に選んだ。同級初戦でいきなり巡ってきた世界挑戦のチャンスで、3階級制覇の偉業に挑む予定だった。

 ガルシア戦に勝利すれば、かねてから対戦を希望していたパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)3位のWBA&WBC&WBO世界同級統一王者ジェシー“バム”ロドリゲス(25)=米国、帝拳=との4団体王座統一戦が実現する可能性もあった。寺地も来たるべきバム戦へ向け「すごいモチベーションが上がりますよね」と胸を躍らせていた。

キャリア初の海外での試合に向け、日本をイメージした新デザインのコスチュームも準備していたが、無念の結果となった。

 10日後の年明け6日には34歳となる寺地。3階級制覇へのチャレンジは、2026年に持ち越されることとなりそうだ。

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