宝塚歌劇雪組のミュージカル・ロマン「ボー・ブランメル~美しすぎた男~」、プレジャー・ステージ「Prayer~祈り~」が、東京宝塚劇場で1月10日に開幕する(2月22日まで)。

 芝居は階級社会の続く18世紀末の英国が舞台。

“ダンディズムの祖”といわれるボー・ブランメル(朝美絢)が、美貌(びぼう)とファッション・センスで階級社会を駆け上がる栄光と挫折を描く。

 美しすぎた男を演じる朝美は「本当にプレッシャーしか感じませんでした」と苦笑い。実在した人物でもあり「衣装が普段の男役のスーツと違って、ウエストや肩がとてもタイトな衣装」と驚いたが、兵庫・宝塚大劇場公演では美しさに加え、ウィットに富んだやり取りで観客を魅了した。

 全編をフランク・ワイルドホーン氏の壮大な音楽が包み込む今作。朝美が「本当に大ナンバーが多いので、『この曲も好き。あの曲も好き』って、お客様も思っていただけるんじゃないかなと思っています」と話す通り、さまざまなテイストの楽曲を組子が歌い継いでいく姿が印象的だった。

 今公演で退団するトップ娘役・夢白(ゆめしろ)あやのソロも必見。朝美は「最後まで彼女なりの娘役像っていうのをしっかりと貫いて、宝塚の舞台での娘役っていうのを楽しんでほしいなと思ってます」とその姿を後押ししている。

 ショーはバラエティーに富んでおり「いろんな曲と、いろんな装置と、いろいろな振り付けで、本当にお客様を飽きさせない」と自信をのぞかせる。トップスターに就任して約1年がたった朝美は「あっという間だったんですけど、雪組のみんながいつも明るく元気で。そういうみんなの姿を見て、自分が存在できているんだっていうのをすごく感じます」。ショーの太陽神のごとく、雪組を太陽のように照らし導く存在へと成長した。

(ペン&カメラ・古田 尚)

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