岩内町出身の現役唯一の道産子関取、一山本(32)=放駒=が自己最高位の東前頭筆頭で、大相撲初場所(来年1月11日初日・両国国技館)を迎える。勝ち越せば1996年名古屋場所の小結・大翔鳳(札幌市出身、故人)以来、30年ぶりの北海道出身三役力士の誕生が確実となる。

このほど「ほっかいどう報知」のインタビューに応じ、「もう目の前まで来たんで」と悲願成就への意気込みを示した。(取材・構成=甲斐 毅彦)

 九州場所では東8枚目で11勝4敗。一山本は2度目の敢闘賞を受賞した。

 「最後に番付が上がったんでいい1年だったかなとは思うけど、大きく負け越す場所(秋場所の4勝11敗)もあった。来年はそういうのを減らしていければ」

 転機になったのは中日の阿武剋(阿武松)戦。3連敗中だった難敵を初めて押し切ると、そこから8連勝。頭を上げずに押し込むしぶとい攻めが身についた。

 「得意じゃなかった相手に勝った相撲が良かったのかな。攻められて攻められての相撲もあったけど、しっかり我慢して残したところが良かったと思います」

 初場所で勝ち越せば、三役昇進は確実。道内では30年ぶりの役力士の誕生を待ち望む声が多い。

 「常に目標にして来てもう目の前まで来たんで、しっかり勝ち越して昇進できるように備えたい。まずはしっかり健康管理ですね」

 ライバルかつファンだと公言する西2枚目・若隆景(荒汐)より番付で上位となった。

タオルやマグカップなどのグッズを集める熱狂ぶり。三役昇進のためには勝ちたい相手だが…。

 「グッズが出たら基本的に買うんで“推し活”はもちろん続けます。土俵の上では…はい、押し切ります」。憧れの存在を超えて目標をつかみ取るつもりだ。

編集部おすすめ