◆全国高校ラグビー第1日 尾道74―5遠軽(27日、花園ラグビー場)

 開幕し、1回戦が行われた。3大会連続13度目出場の遠軽(北北海道)は、19大会連続出場の尾道(広島)に5―74で敗戦。

後半23分にNO8の吉田琉希也(3年)が意地のトライを決めたが、10大会ぶりの勝利には届かなかった。3大会ぶり2度目出場の立命館慶祥(南北海道)は、28日の初戦で仙台育英(宮城)と対戦する。

 2015年以来の勝利は高い壁に阻まれた。開始5分の先制点を皮切りに、前半だけで7トライ45点を献上。細かいミスを見逃さない全国常連校に格の違いを見せつけられ、吉田は「3年間戦ってきた相手で一番強かった。スピードもパワーも北海道にはない部分で圧倒された」とレベルの差を認めた。

 終盤まで防戦一方の展開だった。得点の“気配”すら感じられない苦しい時間が続いたが、終盤にNO8が一矢報いた。0―62で迎えた後半23分。相手陣内ゴール前10メートルのスクラムから抜け出した吉田は、2人からのタックルを受けながらもボールを放さず、右隅に執念のトライ。北北海道大会計3試合10トライの点取り屋が大舞台で一撃を見舞い、石崎真悟監督(47)は「彼の3年間の努力が結果として出た」と褒めたたえた。

 遠軽町で出土の黒曜石をモチーフにした新たなユニホームで挑んだ13度目の花園。

町から700万円の援助を受けて約2週間前から道外で合宿を積み、万全の態勢を整えて臨んだが白星は遠かった。高校限りで引退する吉田は試合後、仲間と抱擁し「本当にやり切った。後悔はない」。全国1勝は残された後輩たちに託し、笑顔で聖地を後にした。(島山 知房)

 遠軽町・佐々木修一町長(現地観戦し)「頑張ったなと思う。尾道さんはシード校でもおかしくない相手。よくやった」

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