全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)は、来年1月5日に東京体育館で開幕する。同日に1回戦が行われ、13年連続18度目の出場となる女子・富士見は、松山東雲(愛媛)と対戦。

主将の曽根くらら(3年)は、入学当初から掲げてきた初優勝を目標に、「日本一のリベロになって終わりたい」と抱いてきた夢の実現に挑む。

 富士見の曽根が、本職リベロで真価を発揮する。「日本一のリベロ」を志して富士見に入学。1年時は希望通り守備職人に徹したが、2年時はチーム事情によりアウトサイドヒッターに転向した。157センチという小柄な体格もあり、思うように力を発揮できない時期が続いた。

 「点が取れる方ではなかった。どうすればチームに貢献できるかを考えた。強みであるレシーブ力をどう生かすかと思っていた」

 今年に入ってリベロへ復帰。スパイカーを経験したことで視野が広がり、トスの上げ方への意識にも変化が生まれるなど、主将としての成長を実感している。

 チームは今年の全国総体で、静岡県勢として初の4強入りを達成。秋の国民スポーツ大会でも県選抜メンバーの大半を担い、準優勝に貢献した。今大会は初戦で、同じく全国常連校の松山東雲と対戦。

2回戦では前回大会準優勝の下北沢成徳(東京)が立ちはだかるが、壁を越える覚悟だ。

 支えとなる仲間もいる。エースの福元さやか、鈴木真優(ともに3年)は1年時から全国舞台を経験。春高バレーでは初の8強入りを果たした。2年時は岡山・就実に2回戦で敗れ、悔しさも味わっている。副主将を務める福元とは、コート内外で言葉を交わす機会も多く、「リベロなので、コートにずっといるわけではない。相手コースの空きやサーブの狙いなど、一番話し合う存在」だ。

 経験を共有する仲間とともに目指すのは、再び歴史を塗り替えること。リベロとして、主将として、頂点への道を切り開く。(伊藤 明日香)

 〇…エース福元が、万全の状態で有終の美を飾る。3度目の挑戦となる春高バレー。昨年までの2大会は、右足首のけがなど本調子とはいえない状態だった。

前回大会後から自宅でジャンプ練習を行ってきた。足首の強度を高め、ケアにも入念に取り組んできた。成果として最高到達点が6センチアップの290センチに到達するなど、攻撃力に磨きがかかった。「自分の集大成を見せられるように頑張りたい」と意気込んでいる。

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