◆第104回全国高校サッカー選手権▽1回戦 徳島市立4―1早稲田実(28日・国立)

 開幕戦1試合が行われ、徳島市立(徳島)が早稲田実(東京B)に4―1で大勝し、2回戦に駒を進めた。

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 頭で合わせにいったボールが、腰にヒットした。

徳島市立の2点リードで迎えた後半15分。左からのクロスにMF東海林が頭から飛び込んだが、目測を誤ったのか、当たったのは右腰の部分。それでもボールはゴール方向へと転がり、ネットを揺らした。勝利を決定づけた2年生は「一生の思い出になるゴールです」と笑った。

 開会式の入場行進で、一度も練習せずに「阿波踊り」を披露したイレブンは、前半36分に相手のクリアミスを拾ったところから先制。後半には3得点を奪い、東京大会4試合無失点の早稲田実を飲み込んだ。3大会連続で敗れていた初戦で白星を飾った。

 ブラスバンドを引き連れ、「コンバットマーチ」、「紺碧の空」、「VIVA WASEDA」など伝統歌を歌う早稲田実の大応援団が、会場を盛り立てた。1万8364人のうち約150人ほどの徳島市立応援団は、ここに、阿波踊りで用いる鉦(かね)で対抗。「カランカラン」という金属音がゴールラッシュを彩ったほか、ユニホームの新丁により、県大会決勝で選手が着用した旧ユニホームに身を包んだダンス部が応援を支えた。

 四国勢は、1989年度大会の南宇和(愛媛)以来、優勝から遠ざかっている。指揮官は「実力で(国立で試合が)できたわけじゃないから。

選手には『これからだ』と伝えた」と表情を引き締め、再び試合が国立で行われる準決勝での“聖地帰還”を目指す構え。初戦突破の勢いそのままに、四国の雄が旋風を巻き起こす。

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