◆全国高校ラグビー1回戦 立命館慶祥20―7仙台育英(28日、花園ラグビー場)

 1回戦が行われた。3大会ぶり2度目出場の立命館慶祥(南北海道)は、30大会連続32度目出場の仙台育英(宮城)に20―7で勝利し、創部30年目で花園初白星。

FW陣がモールで押し込み2トライを奪うなど得点を重ね、全国常連校を破った。30日の2回戦では、長崎北陽台と対戦する。

  北の立命が“本拠地”関西で花園初勝利の扉をこじあけた。1996年の創部から30年目。立命大、リーグワンの横浜キヤノンを経て23年に就任した高島忍監督(33)は、「もう少し点を取られる可能性があると思っていたのでディフェンスがよく頑張った。新たな歴史を刻めたのは本当にうれしい」と喜びをかみしめた。

 バックスを中心とした「展開力」で全国に駒を進めてきたが、この日はFWが存在感を示した。前半終了間際の30分。ゴール前5メートルのラインアウトからモールで押し込み、最後はフランカー・小原煌大(3年)がトライを決め、5点を先制した。

 後半5分には、12フェーズに及ぶ粘り強い攻撃からWTBの松橋佑朔(3年)がトライ。持ち味を発揮して追加点を奪うと、15点リードの同26分にもゴール前5メートルのラインアウトからモールで攻め、最後はフッカー・小池榛(2年)がダメ押しのトライを奪って勝負を決定づけた。

 20日の関西入り後は、立命大や、この日同じく花園初勝利を挙げた聖光学院(福島)の選手たちと合同練習を実施。

同校の宇佐美和彦監督と高島監督が立命大のチームメートだった縁で、充実の直前合宿が実現した。FW陣はレベルの高い相手に対して何度もモールの動きを確認してこの日の試合に臨み、小原は「仙台育英さんの研究をしてきて、練習の成果が結果に出て良かった。バックスが注目されがちだけど、うちのFWはタックルがいい」と充実の汗をぬぐった。

 南北海道勢としては、2021年の札幌山の手以来4大会ぶりの勝利。次戦は、道勢35大会ぶりの3回戦進出を懸けて強豪・長崎北陽台と対戦する。SO田尾公謙主将(3年)は「1勝はうれしいけど、僕たちは2勝を目指している。喜びすぎず、2回戦に向けて練習したい」。2つめの白星を手にし、新年を聖地で迎える。

(島山 知房)

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