全国高校サッカー選手権の道代表・北海は29日、1回戦の大津(熊本)戦に臨む。28日は国立競技場での開会式に出席後、都内で調整し、2年ぶり14度目の舞台に備えた。

大津には8度目出場の2005年度大会の初戦(2回戦)で対戦し、0―4で敗れている。当時も指揮を執っていた島谷制勝監督(56)を始め、一丸となって雪辱を果たし、前回出場した23年度以来の全国勝利をつかみ取る。

 北海が屈辱を晴らす時がきた。05年度大会以来となる大津との対戦。前回はJ内定者4人を擁する相手に粘りの守備で前半を0―0で折り返すも、後半6分にオウンゴールで先制されると4失点。完封負けで初戦敗退となった。島谷監督は「20年前の生徒たちのために頑張りたいという気持ちは当然ある」と勝利への意を強くした。

 大津は今年の全国高校総体で準優勝。指揮官は「北海高校として、優勝候補という壁を乗り越える必要がある」と強調した。2年前は大手前高松(香川)をPK戦で破り、19年ぶり勝利を挙げた。しかし04年度に過去最高の16強入りした際も、3回戦で優勝した鹿児島実に0―1敗戦。全国区の強豪には屈してきた。

「出場するとか1回勝つとかではなく、本当の強豪に勝たないと」。指揮官は新たな歴史の構築へ、選手に闘志を注入してきた。

 大会前には前回対戦時の映像を選手全員に見せた。DF曵地優斗主将(3年)は「体を張るとか泥くさくというのをベースに1年間やってきたが、先輩方の試合を見るとスライディングで絶対終わるとか、自分たち以上にそういう部分が見えた。先輩方が受け継いできたそういった思いも背負って戦いたい」。再確認した北海らしい魂を込めた攻防を制し、難敵を打ち破りにいく。

 過度な気負いはない。曵地主将は「ボールを持たれる展開が予想されるので。守備の部分でいかに踏ん張って、ボールの奪いどころをつくって、そこから一つでも多く攻撃につなげられるか」と試合をイメージした。押されてもじれずに一発を狙い続け、下馬評を覆す。

(砂田 秀人)

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