全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は来年1月5日、東京体育館で開幕する。大会初日は1回戦が行われ、7年ぶり4度目の出場となる男子・静清は鳥取中央育英(鳥取)と対戦する。

2017年から県3連覇を達成した当時の主将で、昨季までVリーグ三重でプレーしていた高橋涼監督(25)が就任。退任後もサポートを続けていたが今年度限りでチームを離れることが決まっている恩師で前監督の山内健至氏(53)に、日本一という花道を届ける覚悟だ。

 就任1年目で春高バレーに臨む高橋監督は「山内先生のためにも、何が何でも勝ちたい」と力を込める。山内前監督は2014年の就任以降、静清バレーを築き上げ、17年に同校を春高バレー初出場に導いた。教え子の高橋監督は昨季まで2年間、Vリーグ三重でセッターとして活躍。恩師からの要請を受け、母校の指揮を執ることを決めた。

 「山内先生がつくり上げてきたものを壊すことが一番やってはいけないこと」。土台を踏襲しながら、新しい試みも加えた。ブロックを重視してきたチームに速攻を取り入れ、トスが浮かないように秒数管理を徹底した。準優勝だった5月の県総体以降は、サイド攻撃への偏りを課題に修正を重ねた。11月の選手権県大会決勝では浜松修学舎の3連覇を阻止した。

 静清の春高最高成績は、18年大会の2回戦進出。

指揮官がプレーした19年も初戦(2回戦)で大村工に敗戦している。「あっという間に終わった」と無念そうに振り返る。

 現3年生への思い入れも深い。主将の水野叶愛(とあ、3年)は、高橋監督の高校の同級生の弟。縁のある選手が多く在籍。「1、2回戦敗退という結果は、静岡県のバレーチームにとっても申し訳ない。子どもたちの目標である優勝を目指したい」。恩師と子どもたちとともに、頂点へ駆け上がる。(伊藤 明日香)

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