スピードスケート男子500メートルでミラノ・コルティナ五輪代表の新濱立也(高崎健康福祉大職)が全日本選手権から一夜明けた29日、長野市で取材に応じた。妻でカーリング女子、ロコ・ソラーレの吉田夕梨花も同席。

吉田は9月のカーリング最終予選代表決定戦で敗れた。夫婦での五輪は逃したがミラノの舞台を夫に託した。「腹をくくってスタートラインに立っていた。どうにか約束を果たしたい、ミラノに妻を連れて行きたい思いは強かった」と原動力を力に変え、ミラノへの切符をつかみ取った。

 吉田は18年平昌五輪で銅、22年北京五輪で銀メダルを獲得。3大会連続出場とはならなかったが、新濱は「メダルを取れるように全力を尽くす。(吉田に)3大会連続のメダルをかけさせる」と宣言した。愛する妻へ最高のプレゼントを贈るために、2度目の五輪で全力を尽くす。

 お互いを「ゆりちゃん」、「はまちゃん」と呼び合う2人。ともに海外を転戦しており、会える時間は少ない。今年4月には新濱が沖縄・石垣島での合宿中に交通事故に遭い、顔面骨折などの大けがを負った。当時を吉田は「生きててくれて良かった。

そこからの競技人生は夫が決めること」とそっと寄り添っていたという。「オリンピックを目指すと決めたからには、私は応援するだけだった。クリアする姿を見られただけで、すごい精神力だな」と夫をねぎらった。ミラノ五輪への応援は計画中というが、面と向かって「楽しんでほしい。全部の瞬間を覚えていてほしい。あとはけがしないで。無事で帰ってきて」とエールを送った。

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