◆第104回全国高校サッカー選手権 1回戦 大津(熊本)7―1北海(北海道)(29日、フクダ電子アリーナ)

 2年ぶり14度目出場の北海道代表・北海は、今年の全国高校総体準優勝の大津(熊本)に逆転負けし、初戦敗退となった。

 前半4分、右FKをFW増谷拓海(3年)が頭で合わせたボールはクロスバーに阻まれるも、混戦になったゴール前で「仲間からも行けと言われていた」とDF西垣凌羽(3年)が頭で押し込み、先制点を挙げた。

「先に点を取れたのは良かった」と西垣が振り返ったように、先手は奪ったが、相手の個人技に上回られ、1―7の逆転負け。ゴールが勝利に結びつかず「守備の部分で自分のサイドを崩されてしまった」と唇をかんだ。

 1―2とされた前半32分に退場者も出て、数的不利となったことも大きく響いた。首都圏開催となった1976年度以降、道勢最多となる失点を喫し、6点差での敗戦も同ワースト。しかし最後まで誰もが足を止めず、体を張り、反撃の糸口を探り続けた。DF曵地優斗主将(3年)は「10対11になっても、歯を食いしばって踏ん張ってやり切ろうとみんなで話して。最後まであきらめずに戦えた」と意地は見せた。

 前回出場の2023年は初戦を突破した。出場2大会連続の勝利はつかめなかったが、島谷制勝監督(56)は「子供たちは一生懸命やってくれて、その部分は誇りを持って北海道に帰りたい」と健闘をたたえた。その上で来年以降へ、島谷監督は「相手はしたたかで、勝負所が分かっていた。北海道の代表は一生懸命やるだけになりがち。北海道のレベルを上げるためにも、僕たちがそうならないよう実践していくことが使命」と言った。

味わった悔しさは、今後の巻き返しにつなげていく。(砂田 秀人)

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