◆「JR東海 推し旅 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2025」 ▽フワちゃん再デビュー戦15分1本勝負 〇葉月―フワちゃん●(29日、東京・両国国技館)

 タレントのフワちゃんが葉月とのシングル対決でプロレス再デビュー。敗れたものの女子プロレスラーとして新たな一歩を踏み出した。

 昨年、お笑いタレント・やす子にSNSで不適切な投稿を行い、同年8月11日に芸能活動を休止。今年11月に活動再開を発表した。プロレスは22年10月のスターダムの大会でデビューを果たしており、今回が再デビュー戦となった。

 不適切発言で活動を自粛している期間にプロレスへの情熱が強くなり、今夏、この日の対戦相手・葉月に相談。スターダムの岡田太郎社長とも面会の上、一選手として入団することで合意。11月7日の電撃入団発表を経て、12月29日のビッグマッチでの再デビューが正式決定した。

 そんな“新参者”に団体も両国国技館の大舞台を用意した。

 この日の第4試合。満員札止めの観客の大声援の中、おなじみの色鮮やかなビキニコスチュームにお笑い仲間・ZAZZYに前夜に借りたというピンクの大きな羽をつけて花道に立ったフワちゃん。ダンスしながらリングインすると、コーナーポストに上って「フワちゃん」のタオルを高々と掲げた。

 試合は序盤から劣勢。ドロップキック3連発も葉月には効かない。

逆に顔面に強烈なキックを食らうと、逆エビで固められた。

 抜群の身体能力を生かしたドロップキックをたたき込むと高々と右腕を掲げたが、パワーで勝る葉月にセントーン、強烈なエルボーの連打と攻められ、がっくりとひざをついた。しかし、卍固めで反撃。場外へのプランチャも披露すると、高さ抜群のブレーンバスターも決めて見せた。

 雪崩式ブレーンバスターからの武藤啓司ばりのシャイニングウィザードも決めたが、カウントは惜しくも2・5。最後はあごに炸裂のジャンピングニードドロップからコーナートップからのダイビングセントーンを食らい、3カウントを奪われた。

 タレント・フワちゃんではなく、レスラー・フワちゃんの激し過ぎる闘いに魅せられた観客の「フワちゃん」コールに包まれると、葉月に深々と座礼。

 マイクを持つと「完敗です。自分だけは1%でも勝てると信じて、ここまでやってきたので。最後の最後まで本当に勝てると思ってやりました。ありがとうございました」と、すべて敬語で話すと「負けた身でこんなこと言うのも生意気ですが、私の主戦場がこのリングになると思うと、すごくワクワクします。しっかり自分を信じて、しっかり練習を頑張って、しっかり修行を積んで、みんなにもっともっと、すごいことを見せたいと思います。

私はもっと高みを目指して頑張ります」と堂々、宣言した。

 この日、ゲストとして登場の芸能界の先輩「くりぃむしちゅー有田哲平はかわいがってきた後輩について聞かれると「ご迷惑をおかけしています。スターダムのリングに上げていただいてありがとうございます」と、まずは感謝。その上で「今回は芸能人としてでなく(正式に)入団という形ですから。前はある程度やれば『フワちゃん、良くやった』でしたけど、もう(レスラーとして)見る目は厳しいですから」と辛口のエールを送った。

 そして、両国国技館を埋めた目の肥えたファンの前で十分、「見せる」に値する試合をして見せたフワちゃん。1人の女子プロレスラーがこの日、負けてなお笑顔の再スタートを切った。

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