巨人のドラフト1位・竹丸和幸投手(23)=鷺宮製作所=に29日、「ヒサノリロード」指令が下された。映像をチェックした内海哲也投手コーチ(43)は「まだ線は細いけど、いいピッチャーなのは確実なので、早く慣れてほしい」と期待した上で、「投げているイメージが髙橋尚成さんみたいなので、楽しみにしています」と2000年代の巨人を支えたサウスポーに重ねた。

 経歴や特徴が偉大な先輩をほうふつさせる。2人はともにサウスポーからキレのある直球を繰り出し、高い制球力も武器。ウィニングショットは尚成氏がスクリュー、竹丸がチェンジアップで、右打者外角に沈む軌道も重なる。竹丸については社会人出身ながら伸びしろの大きさを期待する声も多く、内海コーチは「ポテンシャルは間違いなくあるので、あとは早く溶け込ませて、成長していってほしい」と願った。

 尚成氏は同じく社会人の東芝から巨人に入団し、1年目からローテ入りして9勝6敗、防御率3・18。球団史上唯一、ドラフト入団左腕で1年目に規定投球回をクリアした。ONシリーズでの初登板初完封など、要所での勝負強さも示した。竹丸は「試合で波を作らないところが武器」と安定感を強みに挙げており、勝負どころでのギアチェンジも得意。尚成氏がかつてつけた背番号21を受け継ぎ、同様のサクセスロードを目指す。

 11月のファンフェスタでは内海コーチらとコミュニケーションをとったルーキーは「『期待しているから』と声をかけてもらったので、応えられるように新人合同自主トレに向けてやっていきたい」と意気込む。左のエースの系譜を継ぐ。(水上 智恵)

 ◆髙橋尚成のルーキーイヤー 修徳―駒大―東芝を経て99年ドラフト1位で巨人に入団。

長嶋監督の下、25歳の左腕は00年4月6日・中日戦(ナゴヤD)で8回1失点と好投し、球団では66年堀内恒夫以来となるプロ初登板初先発での初勝利を飾った。24登板で9勝6敗、防御率3・18、135回2/3で、ドラフト入団1年目の左腕では球団初の規定投球回到達。ON決戦となったダイエーとの日本シリーズでは第5戦に先発し、新人史上初の初登板初完封をマークした。

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